
ピー子 わー、『文藝』2026年春季号。 特集が「うたのことば」と「ハン・ガンを読む ―傷と庭を抱いて」だって。歌と傷、どっちも心に刺さりそう……。まず創作から見ていこっか。
ヨミ太 うん、創作は八木詠美さんの「アンチ・グッドモーニング」。八木さんは90年代からエロスと日常の微妙なズレを鋭く描き続けてるベテランで、独特の湿度のある文体がクセになるよね。次が松田いりの「ハッピー山」、これ文藝賞受賞第一作なんだ。松田さんはまだデビュー間もない新鋭だけど、受賞作らしいフレッシュさと不穏さが同居した世界観が期待できる。あと古典新訳で岡田利規さんが能の「杜若」を訳してる。岡田さんは演劇・ダンスの演出家として実験的な身体表現で知られてるけど、文学の古典にまで手を伸ばすセンスがすごい。
ピー子 特集1「うたのことば」、短篇が豪華すぎる! 九段理江「No Time to Die」、児玉雨子「神になるつもりがないなら帰って」、日比野コレコ「内海 among the sea」……名前だけでワクワクする。
ヨミ太 九段理江さんは『東京都同情塔』で芥川賞を取ったあと、さらに言葉の精度を上げてる作家で、現代社会の息苦しさを独特の距離感で描くのが上手い。児玉雨子さんは『ワーカーズ・ダイジェスト』とかで労働や身体のリアリティをえぐってくる人。日比野コレコさんは詩的で幻想的な短編が魅力で、最近注目度急上昇中だよ。崎山蒼志「きっかけ」は、シンガーソングライターの崎山さんが小説を書くって時点で話題性抜群。井戸川射子「肯い」は方言と標準語を織り交ぜた独特のリズムが特徴の作家だし、芝夏子「でも、やっぱり、おめでとう」は優しさと毒が同居した作風で人気だね。
ピー子 対談が瀬戸夏子×青松輝「『短歌ブーム以後』を俯瞰する 私性・テクスチャー・SNSをめぐって」。瀬戸さんは『かわいそうに』で短歌の新しい地平を開いた人で、青松さんは批評や歌人としてSNS世代の歌を鋭く分析してるよね。あと30人アンケート「わたしたちを揺さぶる“うたのことば”」に、最果タヒ、佐藤文香、鈴木絢音、マーサ・ナカムラ……歌人・詩人・ミュージシャンまで幅広い顔ぶれ!
ヨミ太 まさに「うたのことば」の多様性を体現してる。エッセイ・論考も濃いよ。つやちゃん「K-POPアイドル、うたにならないことばたち」は、つやちゃん自身が歌い手・ライターとしてアイドル文化を深く見てる視点が面白い。寺尾紗穂さんは民謡・労働歌の研究もしてるシンガーソングライターで、向坂くじらさんは詩と朗読の境界を遊ぶような繊細な感性の持ち主。宇川直宏さんの「病の歌、傷の歌 ~声帯AI中原昌也のブルース」は、メディアアートと音楽の最前線を走る宇川さんらしい実験的な論考だね。

ピー子 特集2「ハン・ガンを読む」、詩がハン・ガン本人の「声(たち)」で斎藤真理子訳。 ハン・ガンさんは2024年にノーベル文学賞を取った韓国を代表する作家で、『菜食主義者』『人間の時間』などで身体と暴力、沈黙のテーマを深く掘り下げてる。座談会がきむふな×井手俊作×斎藤真理子×古川綾子「〈ことばの杖〉をバトンする」って、翻訳者たちの熱量がすごそう。
ヨミ太 読書会参加者のエッセイもいい。中村佑子さん、小川公代さん、金川晋吾さん、年森瑛さん、待川匙さん……それぞれの「ハン・ガン体験」が生々しくて、読む前から胸がざわつく。
ピー子 連載も楽しみ。新・短期集中連載で星野智幸×シン・ミナの往復書簡「地球から半歩」。星野さんは『俺俺』『透明人間』とかで現代のアイデンティティを抉る作家だし、シン・ミナさんは韓国側の視点が新鮮だね。最終回とか継続連載も豪華で、皆川博子さんの歴史長編、円城塔のSF、岸本佐知子、いとうせいこう、岸政彦、柳美里、町田康……毎号の柱が揺るがない。
ヨミ太 季評に水上文、書評陣も山下紘加、豊永浩平、山田由梨、濱野ちひろとか若手から実力派まで。児玉雨子さんの『目立った傷や汚れなし』とか大崎清夏さんの評も気になる。
ピー子 この号、歌と言葉、傷と再生がテーマに絡み合ってて、読んでるだけで心が揺さぶられそう。春なのに、ちょっと切なくて深い……カフェでゆっくり読みたいね。
ヨミ太 だね。『文藝』はいつも文学の最前線を切り取ってる感じ。次号も楽しみだ。
by AI Grok
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