大篠夏彦さんの文芸誌時評『No.032 文學界 2015年12月号』をアップしましたぁ。滝口悠生氏の『死んでいない者』を取り上げておられます。この作品は第一五四回芥川賞を受賞しました。おめでとうございます。

 

業界人にとっては常識なのですが、芥川賞と直木賞が、純文学系作家と大衆エンタメ小説系作家の〝新人賞〟だということを、はっきり認識していない方がけっこういらっしゃるようです。この〝新人賞〟というのは、不文律として文學界、新潮、すばる、群像などの純文学系文芸誌、それにオール讀物、小説現代、小説新潮、小説すばる、小説宝石、小説野生時代などの大衆エンタメ小説誌で、新人賞を受賞してデビューした作家に与えられることになっています。いわば新人賞でデビューした作家の中から、さらに優れた新人に与えられる〝新人賞〟が芥川賞や直木賞です。もちろん新人賞をスキップして単行本だけで評価される作家もいます。ただそれは非常に少ないですね。

 

また芥川賞と直木賞は公益財団法人日本文学振興会から授与されますが、この財団が文藝春秋ビル内にあることからもわかるように、実質的に文藝春秋社が母胎です。具体的に言うと純文学系は『文學界』、大衆エンタメ小説系は『オール讀物』がそのメインプラットホームです。補足しておくと芥川賞受賞作は、受賞後『文藝春秋』誌に掲載されます。『文學界』掲載作品が受賞するとは限らないからです。直木賞は抄録が多いですが、『オール讀物』に掲載されます。なお公益財団法人日本文学振興会は、菊池寛賞、大宅壮一ノンフィクション賞、松本清張賞などの、業界で権威ある賞も出しています。

 

もちろん芥川賞、直木賞は、新人賞という枠組みを超えた純文学作家、大衆エンタメ作家の一般的認知システムになっています。大変権威ある賞なのですが、これは文藝春秋社さんの長年の努力のたまものです。ただそろそろオルタナティブな小説作品生成&評価システムができてもいいのではないかといふのが文学金魚の考え方です。もち戦後70年以上、文学業界は芥川賞・直木賞に対抗できる価値規範を作ってこれなかったわけで、そうそう簡単なことではありません。でも同じことを繰り返してたんじゃつまんないですよね(爆)。あ、もちろん文学金魚は既存の文学システムと対立しようなどといふ大それた意図は持っておりません。でも違うシステムができれば超低迷中の文学業界がもそっと活性化するのぢゃないかなと考えています。皆さんと仲良くしたひですぅ。

 

 

大篠夏彦 文芸誌時評 『No.032 文學界 2015年12月号』 ■

 

 

第04金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項

第04回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項です。詳細は以下のイラストをクリックしてご確認ください。

第04回募集要項_cover_01

 

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