大篠夏彦さんの文芸誌時評『No.028 文學界 2015年08月号』をアップしましたぁ。太田靖久さんの『かぜまち』を取り上げておられます。広義の震災小説の一つです。『かぜまち』を含む震災文学について、大篠さんは次のように書いておられます。

 

 もし震災文学というものがある、あるいは成立可能だとしても、それは必ずしも震災や原発事故の災厄を描くことにはないと思う。比喩的に言えばわたしたちの精神が揺れている。わたしたちの精神は東日本大震災の前から揺れ始めていたのだし、少なくともこれから先もしばらく揺れ続けるだろう。その揺れに一応の決着を見いだせた時、わたしたちは地震を天災として、原発問題を事故として捉えられるようになるのではないかと思う。

(大篠夏彦)

 

石川は編集者ですから、原発小説で売れる本が出るなら、まことにけっこうと言わざるをえません。でも人間のエゴの問題は避けて通れないだろうなぁ。政治家の汚職が激しく批判されるのは、彼らが国民のために働く無私の人といふ大前提があるからです。もちろん政治家の社会的地位は高く、それなりの高給取りでもあり、権力が集中することもみんな知っています。しかしそれを私利私欲のために、つまりエゴのために利用するのは許されない。政治家が選良であり無私の公僕であるといふ大前提は絶対に覆せないのです。

 

では文学者はどうか。文学者はエゴの人であってかまいません。いい作品を書きたい、社会的に認められたい、作家先生と呼ばれたいといふエゴイスティックな欲望がない方がおかしい。ただ政治家が無私の人という大前提からエゴの人になりがちなのとは逆に、文学者はいずれかの時点でエゴの人から無私の人に抜けてゆかなければなりません。震災文学に即して言えば、震災や原発事故は作家のエゴ抜きの問題になり得るかと言うことです。

 

石川が読んだ震災文学に限りますが、ほぼすべての作家が初発の事実的衝撃を超える高次の認識を提示できていないと思います。少数ですが震災や原発問題を、時代の方向性を見失ったことの隠れ蓑にしてはしゃいでいる作家もいます。はっきり言えば、自分が目立ちたいといふエゴを抜けた高い認識を提示できる自信がなければ、作家倫理として震災や原発事故を主題にすべきではないと思います。

 

 

大篠夏彦 文芸誌時評 『No.028 文學界 2015年08月号』 ■

 

Web文芸誌のパイオニア 文学金魚大学校セミナー開催(新人支援プロジェクト)

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Web文芸誌のパイオニア 総合文学ウェブ情報誌文学金魚は、文学金魚執筆者によるシンポジウムと参加者の自由な質疑応答による参加型セミナーを開催します!。

テーマは〝ジャンルの越境〟です。そしてジャンルの越境は、人の現存在では性の越境にも置き換わる。文学金魚大学校第1回セミナーでは、早稲田文学の表紙を飾った伝説の仙田学さんの美しい女装姿が見られます!  あらゆる制度の脱構築を意識することで、ジャンルの越境は初めて可能になるのです。我こそはという皆さまも、ぜひ女装・男装・コスプレのドレスアップでご来場ください。 超ステキな開催会場、日仏芸術文化協会もそれって大歓迎!とのこと!

 

■ 日時と会場 ■

・2016年06月18日(土曜日)

セミナー:15:30PM 開場 16:00PM 開演

① 16:00~16:30PM 第一部 偏態小説と純文学エンタメ小説について 三浦俊彦×遠藤徹 対談
② 16:30~17:00PM 第二部 ラノベと(純)文学について 仙田学×西紀貫之 対談
③ 17:00~17:30PM リード小説大賞決定

懇親会:17時30分~19時30分(第3回金魚屋新人賞第一次審査通過作紹介を含む

会場:日仏芸術文化協会 (東京都目黒区中根2-19-2 東急東横線・都立大学駅より徒歩約10分)

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* 閑静な住宅街の中に位置する素敵な一軒家です。

日仏芸術文化協会地図

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参加費3,500円

* 参加者の皆さんには金魚屋刊行書籍一冊(定価1,500円)をプレゼントします。

懇親会費(オプション)2,000円

* セミナー修了後に懇親会を開催します。参加はご自由です。

 

テーマ ■

【テーマ】ジャンルの越境

純文学ラノベ、ロマンチック・ミステリ、純文学ホラー、自由な物語詩など、従来の文学ジャンルとは異なるオルタナティヴな文学を創り出すことを目指します。

【司会】

山田隆道(作家・TVコメンテーター)・小原眞紀子(詩人・東海大学文学部文芸創作学科非常勤講師)

 

プログラム(予定)■

シンポジウム

第一部 偏態小説と純文学エンタメ小説について

三浦俊彦(作家・東京大学大学院教授)

遠藤徹(作家・同志社大学教授)

第二部 ラノベと(純)文学について

仙田学(作家)

西紀貫之(作家・フリーライター)

リード小説大賞決定!

山田隆道(作家・TVコメンテーター)発案のリード小説(詳細は下記または『第一回『文学金魚大学校セミナー』開催記念インタビュー リード小説の意義について』参照)の大賞を決定し、大賞・奨励作については文学金魚への作品掲載を検討(バックアップ)します。

第3回金魚屋新人賞第一次審査通過作紹介

懇親会

いけのり(占い師・エッセイスト)の占いコーナーなど。

 

参加お申込用メールアドレス ■

お申込みはseminar@gold-fish-press.comへ! 。氏名・電話番号、パーティ(懇親会)参加の有無を明記してください。

 

Web文芸誌のパイオニア 文学金魚大学校セミナー(新人支援プロジェクト)の趣旨

・才能ある若い作家の作品が発表できない、キャリアのある作家なのに一番出したい本にかぎって出ない、学者の卵の奨学金ですら返還義務があるなど、現在ではさまざまなジャンルが細分化され、文化間の交流がなくなっています。

・こんな時代だからこそ、文学金魚は創作者と読者、ジャンルとジャンルを繋ぐメディアとして誕生しました。

・セミナー参加者は新しい文学と出版カルチャー誕生の当事者・目撃者になれるかも!

・読むことと書くことの、あのワクワク感をみんなで取り戻そう!

 

【リード小説とは ~あなたの〝リード小説〟大募集!~】

・リード小説とは、あなたがすでに書いた、あるいはこれから書こうとしている未発表オリジナル小説の大筋やセールスポイント等をまとめた、映画でいえば、予告編です。

・文学金魚大学校第01回セミナーのお題として、書き下ろしリード小説をツイッター上で大募集します。完成原稿があるかどうかは問いません。

・選考は山田隆道(『第一回『文学金魚大学校セミナー』開催記念インタビュー リード小説の意義について』参照)が行います。講師の文学金魚連載作家陣も選考に加わります。リード小説から作家デビューの扉が開かれるかも。

・試されているのは自己プロデュース能力です。気楽に楽しんでください!

 

【総合文学ウェブ情報誌文学金魚について】

・文学金魚はジャンルの垣根を取り払い、文化融合的な状況の中から新たな日本文化を創・出することを目指します。

・セミナー参加者は楽しいお題で盛り上がるもよし、懇親会で人脈を広げるもよし。新たな文学シーン誕生のワクワクする瞬間、その当事者・目撃者になれるかもしれません。

・今は積極的に自己アピールし、様々な方法で作家としての活路を切り開いてゆける時代です。ネットと紙出版のインタラクティブな関係性にリアルな人間の息吹きを吹き込んで、文学カルチャーのホットスポットを創り出そう!

 

 

■ 予測できない天災に備えておきませうね ■