新連載の映画批評、木原圭翔(けいしょう)さんの 『映画金魚 No.001 躍動する画面に停滞を―『傷だらけの天使』』 をアップしましたぁ。木原さんは早稲田大学の大学院で映画を研究されている気鋭の批評家さんです。新連載の 『映画金魚』 は何人かの映画批評家の方に順番に書いていただく予定ですが、初回が 『傷だらけの天使』 といふのは嬉しいですねぇ。木原さん、ナイスな選択ですぅ。
『傷だらけの天使』 はテレビドラマですが、フィルムで撮影された 〝テレビ映画〟 というカテゴリに属すようです。主演は萩原健一さんで彼の相棒 (子分) が水谷豊さん。メインライターは市川森一さんで、後に名監督となる深作欣二さんや神代辰巳さんらが演出を担当されています。ちょうど高度成長期に差しかかった日本のテレビ・映画界を代表する脚本家や演出家が関わっている作品です。木原さんは 『並々ならぬエネルギーが溢れ、画面全体に躍動感がみなぎっている』 と書いておられますが、『傷だらけの天使』 はある時期にしか結集しなかった、様々な才能が生み出した傑作です。こういうことは、時間が経ってみないとなかなかわからないですよね。
それにしてもショーケンや水谷豊さんて、こんなにカッコよかったっけと思ってしまいました (笑)。いや今でもカッコいいんですが、『傷だらけの天使』 のショーケンや水谷さんのカッコよさは尋常ぢゃないなぁ。『傷だらけの天使』 ではお馬鹿っぽい恰好をした2人がお馬鹿っぽい台詞を吐きまくり、お馬鹿っぽい騒動を繰り広げるんですが、それが異様にカッコイイ 。つまりホントにカッコイイんです(笑)。木原さんが書いておられるように 『『傷だらけの天使』 は単に個々のエピソードがそれぞれ 「映画的」 であるから優れているのではなく、「連続ドラマ」 としてこそ楽しむべき 「テレビ映画」』 だと思います。BSやCSで一挙に再放送されたら、不肖・石川は一日中見てるだろうなぁ。
■ 新連載映画批評 木原圭翔 『映画金魚 No.001 躍動する画面に停滞を―『傷だらけの天使』』 ■