長岡しおりさんの文芸誌時評『No.001 yom yom vol.24 2012年 春号』をアップしましたぁ。『yom yom』って金魚さん(齋藤都代表)は総評書いてたっけと、思わず文学金魚HPで確認してしまひました。忘れっぽいなぁ。まだコンテンツ数100ちょっとなのに、もう記憶が曖昧になってます。あ、読んだらちゃんと思い出しました。『yom yom』は新潮社さんから刊行されていますが、金魚さんは「女子供向けの読み切りを主体とした、文庫本販促ツール」雑誌であると書いておられます(笑)。文庫本形式のムック流通形態の雑誌であります。
で、『yom yom』は2012年春号からリニューアルされたようです。これまでパンダの表紙だったのが、マンガ家の今日マチ子さんのイラストに変わっています。リニューアルの中心は、短編読み切りから連載小説中心への変更です。長岡さんがお書きになっているように、短編で生き残ったのは新井素子さんだけみたいですね。売上が順調ならリニューアルはないわけで、ネットで調べたら、2006年創刊の『yom yom』は当初は売上部数7万部(版元が発表した数字か第三者機関が調査した数字かわかりませんが)だったのが、最近は伸び悩んでいたという記事を見つけました。おおっ、けっこう売れてたのねぇ。
以前、スタジオジブリの鈴木プロデューサーが、「広告ってすごく大事なんだ。いい映画がヒットするって限らないことは、業界の誰もが知っている」とおっしゃっていました。それはまったくその通りです。また映画に限ったことでもありません。本でも広告でよく目にするから買う(読む)ということはよくあります。特に小説はストーリーがあるものが多いですから、一定レベルの力を持った作家の作品はそれなりに面白い。読書は自分から読む(行動する)能動的作業であり、人間は自分がした行動を無意味だったと思いたくない傾向もあるので、手慣れた作品ならばけっこう満足感を得られるのも確かです。でもそれだけじゃねぇ。。。
読まれる読まれない、売れる売れないということはもちろん重要です。また数を打てば、そのうちのいくつかは「当たる」作品が生まれるかもしれない。でもそれが「文学」の問題に跳ね返ってくるとはちょっと思えないわけです。文学金魚は作品のジャンルを問わない総合文学誌ですから、当然、純文学か大衆文学かといった区分も問いません。でもやっぱり「文芸」ではなくて「文学」にこだわりたいわけです。『yom yom』のリニューアルに引っかけていえば、文学界全体をリニューアルしてみたいなぁ(笑)。文学のように歴史の長いジャンルでは、新しさは常に古くて新しいもののような気がします。皆様なが~い目で文学金魚を応援してくださいませませ~。