寅間心閑さんの肴的音楽評 No.118「ワインのばか」をアップしましたぁ。今回はワインを肴に三本立て。まずUB40、次いで吾妻光良&ザ・スゥインギン・バッパーズ、そしてミシェル・ルグランのサントラ『ロシュフォールの恋人たち』という、渋くて芳醇なラインナップです。
UB40といえばプレスリーのカバーでのポップなイメージが先行しがちですが、寅間さんが指摘するように、バンド名そのものが「失業手当40号様式」を意味し、デビュー当初から黒人青年の冤罪やアパルトヘイト批判を正面から歌ってきた骨太な社会派バンドです。名曲「レッド・レッド・ワイン」がネルソン・マンデラの誕生日イベントを機に再ヒットした経緯も然もありなん、というわけで、ワインと社会正義がグラスの中で混ざり合うような逸話が楽しい。そのUB40、なんと2026年は二つの勢力が並行してツアーを敢行中です。アリ・キャンベル率いる「UB40 Featuring Ali Campbell」はビッグ・ラブ・ワールド・ツアーをヨーロッパから北米へ展開中で、一方、ロビン・キャンベルやアール・ファルコナーら残りのオリジナルメンバーによる「UB40」はアンストッパブル・ツアーを秋に北米40都市以上で計画しています。さらに夏には新アルバムのリリースも予告されているとか。バンドが二手に分かれてそれぞれ精力的に活動している姿は何ともUB40らしいというか、もはや「ばか」がつくほどのタフさですね。
吾妻光良&ザ・スゥインギン・バッパーズについて「初老の『初』の字も取れてしまったが、本当に素晴らしい音楽をずっと奏でっぱなし」という寅間さんの言葉には、長年のファンとしての信頼と愛情がにじんでいます。そのとおりで、質を保ちながら活動し続けるベテランバンドというのは、本当に一握り。レゲエであれブルースであれ、そういうバンドに出会えた人はラッキーなのだと、読んでいてしみじみ思わされました。
そして締めはミシェル・ルグランのサントラ。大岡山の角地のガラス張りの店でひとりワインを飲みながら、無音の静寂の中で頭の中にルグランを流すという発想が最高です。「過ぎたるは猶及ばざるが如し」という落とし方も含めて、寅間さんらしい、肩の凝らない音楽愛が詰まった一本でした。ぜひお読みください。
■寅間心閑の肴的音楽評『寅間心閑の肴的音楽評『No.118 ワインのばか』■
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