偏った態度なのか、はたまた単なる変態か(笑)。男と女の性別も、恋愛も、セックスも、人間が排出するアノ匂いと音と光景で語られ、ひしめき合い、混じり合うアレに人間の存在は分解され、混沌の中からパズルのように何かが生み出されるまったく新しいタイプの物語。
論理学者にして気鋭の小説家、三浦俊彦による待望の新連載小説!。
by 三浦俊彦
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■ 11:名無しさん :02/10/05 06:45 ID:uiQ6NpVD
ホノルルマラソンはいい経験だった。
コースの途中に男女共用の仮設トイレがあって、大行列してたからどこか物陰でやろうとしたんだけど
だってマラソンって道の脇入ってブリッはいおしまい再スタートってイメージだったからさ
でもあんだけ大行列してると仮設トイレでしなきゃなんないのかってプレッシャーがきて
なんだかなあ……並べ、並ぶなって真逆のプレッシャーに引き裂かれるようにして、それで結局並ぶ方に従ったわけよ。
列の俺の前の白人の若い女が
「ブッ」
とか轟音たててオナラしやがってさ。
その後もトイレに辿り着くまで7,8回オナラ。
本人全く焦ってないし周りもノーリアクション。
こっちは真後ろだからくせーし……。
ていうかもうケツに茶色がはみ出してやがってさ。
もらしてるのバレバレ状態なのに並び続けてるんだな。もう並ぶ意味ないのに。
そのへんでケツ出してやっちまった方が並び続けてるよりよっぽど恥ずかしくないだろうに。
てかこの女も俺と同じでプレッシャーに負けたんだな。
って思うと俺も便意こらえながら親近感湧いたよ。人間こうも共感できるもんかなあってくらいに。
行列おそるべし。
それはいいとしてトイレ扉が間近になったときその女、最後の巨大屁ぶちかましやがってさ。
パンツのわきから茶色のシブキが飛び散って俺の腿にひっかかりやがんの。
共感のお返しありがとね。ってわけあるかい。
12 :名無しさん :02/10/08 13:03 ID:ogEeNKZS
ホノルルマラソンってスタートが早朝だからな。
途中で便意をもよおす人ってやたら多いんだよね。
俺も出たことあるのでそれっぽいこと経験済み。
コース途中の仮設トイレ笑えるほど汚い。
正のフィードバックって言うんでしょ。
便座にいっぺんウンコくっつくと、次の人も座らないでやるのでまたはみ出す。
それの繰り返しでどんどん便座が汚くなる。
もちろん床も。
俺が入ったときは床もウンコだらけで爪先立ちの中腰って悲惨な排便になっちまったよ。
膝がぷるぷるしてくるし。
人生で一回きりだな。
19 : 名無しさん :02/10/11 19:16 ID:pgEjNjZj
きっとものすごい便意だったんだろうね。
俺、テレビの番組制作会社で働いてたんだけど、
ホノルルマラソンの仮設トイレを船で運んでくるって企画に乗っかったことあるんだよ。金妙塾ってとこの顧問が企画書出してきてね。
首都圏のどこぞの心霊スポットに設置するって企画。
仮設トイレには濃縮便意がこもっているから、そのパワーが心霊を浄化するんだってさ。
てか、するかも、という実験だった。
トイレに残る便意が心霊現象を中和するかどうかって。
実体化した便意には怨霊を凌ぐオーラがあるってのは本当らしいよ。
いろいろあって実現しなかったんだけどね。
てかあの顧問熱心だったからよその会社が作って放映とかしてるかもな。
21 : 名無しさん :02/10/11 23:59 ID:UgkkNvZc
なぜにわざわざホノルルマラソン?
日本国内のマラソンで良くね?
22 : 名無しさん :02/10/12 3:09 ID:pgEjNjZj
まあそんだけの手間と時間をロスしても便意オーラは失われない、薄まらないって実験だったんだよね。趣旨は。
でも実際運んでもその手間は番組的に目に見えないからねぇ。今考えると何考えてたんだかだが。
てか、心霊現象撃退したなんてモチーフ自体がビジュアルになんないんだよね。
でもそういうおかしなこと全部かまわずやろうって盛り上がってて。それほどあんときは全員便意に取り憑かれてて。そういう隙ってあるもんなんだよ。
■ お名前: ともみ 2001.3.21 11:34:45 ID:なし
私は21歳の学生です。【「私は」は要らない)ここ一ヶ月くらいバイトやサークルが忙しかったりで食生活がかなり乱れてたんですが,【「ここ○○」「食生活が乱れる」といった定型はなるべく避けるべし】先週ひどい便秘になってしまったんです。そのときのおならが臭くて臭くて…。【「臭くて臭くて」の準畳語は形式的すぎて臭さが伝わらない】
昔から人一倍凄いのが出ちゃう体質なんですけど,【「人一倍」という定型はやめるように】この時期のは比べ物にならなかったです。
部屋でしちゃったときとかそのにおいを追い出すのにとても苦労しました。【「追い出し方」を具体的に】とくにベッドの中でやっちゃったときは,ほんのぷすっ程度だったんですけど布団に染み付いちゃって,【「籠もった」でも「潜った」でもなく「染み付いた」とわかった経緯を具体的に】次の朝までとても寝苦しく目覚めも不快ではきそうでした。【「不快で」という一般的な形容は避けるように】すぐに布団を干して日に当てたんですけどやっぱり臭かったんでファブリーズっていうスプレー状のにおい消しを買ってきてにおいを落としました。【全部落ちたと安心できた経緯を具体的に】
その日からおならもトイレでしないとまずいなと思うようになり,おならだけのときでも必ずトイレでするようにしたんです。けど・・・
ついおとといの話なんですけど,昔のバレー部時代の友達が3人遊びにきてたんです。【「昔の」でなく時期を特定すべし】いろんな話で盛り上がってたんでずっとおならを我慢してたんですけど【「いろんな話」でなくトピックを二、三明示すべし】やっぱりお菓子とか食べてたら【菓子名を明示すべしってば。メーカー名でもよし】限界になっちゃって【「限界」という決まり文句は使うべからず】そっとトイレにいったんです。で,皆さんもそうだと思うんですけど,する前からコレはすかしだなってわかるときあるじゃないですか。【ここは伏線としてうまい。実話のメリットをよく生かせている】
おなかが重いイメージだったんですかしだな,だったらおもいっきりやっちゃおうと思って【惜しい。イメージではなく体感系のはずだろう。いずれにしても「おなかが重い」は定型的で実感に乏しい】
便座に座っていっぱいに我慢してたガスを出したんです。【「出し方」を具体的に描写したい。「肛門出口近辺から胃のあたりまで溜まりまくった大量ガスを端から全部出し切るように胃の上を両手で押しながら」等々。ここの描写は事実どおりでなくてもよい】
ぶすーーーーー…っってすかしなのに凄い音でした。
すかしはすかしなので外の友だちに聞かれる心配はなさそうでしたが。【ここはうまい】
しかもとても長くて,している最中もどこまで続くんだろうと笑ってしまうくらいとまらなかったんです。【「笑ってしまうくらい」は弱い。「忍び笑いをしてしまったほど」とすべき】
で、一応し終わって後ろを振り向いたときです。便器の奥の中のほうからもわっと白い煙が上がってきたんです。【因果関係が逆。「もわっと何かの気配を感じたので振り向くと、便器の奧の中の……」とすべき】
びっくりしました。そしてものすごく恥ずかしくなってすぐに部屋にもどりました。【あっさりすぎる。「えっ、幽霊?」とか一瞬パニクってからああおならか~、的な流れにしたい】そのときの顔はホントに真っ赤だったと思います。黄色でなかったのがせめてもの救いでした(笑)。【この一文は落第。(笑)は厳禁。どうしても付けたければ、(失)(苦)(爆)(憫)(忍)(哄)など、笑いの種別表示一文字にすべし】
それで実はこの話には続きがあるんです。【無駄な文。もたついている】友達が家に帰ることになったんですけど,そのときに友達の一人がトイレを使わせて欲しいっていったんですね。【これも無駄に長い文】
それでその彼女を残して一階に降りていき玄関でまた少し話をしてたんです。【無駄だなあ。ここまでの三文は削除すべし】
そしたらその友達が一階のトイレからでてきたんです。うちにはトイレが二つあるんですけど。【こういった説明は不要。なくても十分事情は伝わる】
さっき上のトイレに入ったところを見た私は何でだろうと思い,聞こうと彼女の顔を見るととても不機嫌そうな表情だったのではっと気づきました。【「不機嫌」の描写を具体的に描くべし。ここで執拗偏執勝負できれば文章に核心が生まれてすべて生きたのになあ。え? だからバランスなんて考えるのおこがましいっつの】
ひょっとしてわたしのおならのせい!?【だからこういう一文はあっちゃダメってば。何遍言えばわかるんだろう】
そのあと彼女の目を見ることが出来ないままみんなを見送りました。【「目を見る」ダメ。だいたいなんで帰り際に目を見合わせる必要がある?】
すぐに下のトイレにある消臭スプレーで上のトイレのにおいを消しました。【すぐ消さずにじっくり臭いを確かめてくださいよ。ほんとにもう】自分のものとはいえ半端じゃなかったです。【「自分のものとはいえ」←零点だって指摘するのもバカらしい】
今思うとあの白いのは軽い湯気みたいなもんでほんとのにおいは下にたまってたんですね。こんな強烈なやつを嗅がせてしまって彼女には本当に悪いことをしたと思ってます。【こんな強烈なやつ」の「こんな」とは?】てゆーかはずかしー!!【羞恥心と罪悪感の相克をもっと具体的に】
でもしょうがないですよね。でちゃうんですもん(笑)。【「でちゃうんですもん」かよ……。定型って言葉は広く理解してよね。定型は書いてる端から恥ずかしくなるはずだが?】
こんな私のでも嗅いでみたいと思いますか?【だから嗅ぎたいっていってるでしょ。頼む。お願い。あとどんだけつっこんだら嗅がせてくれる? まだなまぬるいの?】
(第62回 了)
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