こんちわーわんわん。りょんさんですー。
今回はさ、りょんさんは松川るいさんのこと、擁護しようって考えてたんだ。自民党女性局のフランス研修が単なる観光旅行だったんじゃないかって叩かれてるけど、それじゃ他の男の政治家たちって、そんなに真面目な研修旅行やってるわけ? って思ってさ。やっぱ女性でエリート臭が漂う人、何でも持ってるように見える人っていうのは揚げ足とられる傾向があるんじゃないのって、書こうと思ってた。ところがまぁ、ちょっと状況が変わってきたみたい。研修がユルいとか、楽しそうで反感買うとか、そういう話ではなくなってきてる感じ。
今、言われているのは、そもそも松川さんはその研修期間中、どこにいたのだって話。研修旅行の間中、ほぼいなかったんじゃないかって、言われてる。そして、そういうことは最初から計画的で、その段取りのために、外交上の公文書を利用したのではないかということで、どうやらそれは大問題らしい。
もしそうだとしたら、松川さんはなんでそこまで特権を利用しようと思ったんだろうか。海外で、たとえば子供の留学のためにあれこれ手配をするなんてのは、別に行けば済むことだし、さらには別に行かなくたって、遠隔のやりとりでも済みそう。なのに、なんでそんな無茶をしたんだろう。
ここで彼女の考えや立場を理解しようとすることは、また一種の擁護になるのかもしれない。「擁護するつもりはないけど、さぁ」みたいな前置きをしなくちゃいけないかな。何であれ、リアルに状況を理解しようと努力すると、多かれ少なかれ擁護に見えてしまうということはあるよね。
たださ、そもそもまるっきり擁護できないってのは、たとえば洋上風力発電に関する秋本議員の汚職の疑惑とかだね。この人がその権限を奮える立場にあって、入札の時に息のかかった業者に、めちゃくちゃ高い価格で落札させたらしい。もしそうなら、これによって日本中の電気料金がだいぶ上がるってことなんだけど。
秋本議員が、なんでそんな端から見てもミエミエのことをしたかについては、三千万円ぐらいの借金があって追い詰められていた、と言われている。先物取引でヘタを打ったらしいけど、それ聞いたら余計に腹立っちゃった。三千万円て言ったら、この人の議員報酬とおそらく他にもあるだろう収入を足して、だいたい年収ぐらいじゃないかと思うんだ。そんなのを取り返すのに、日本中の電気料金をうんと上げさせるって、いったいなんの冗談だよ。もしそれが本当なら打首獄門でいい。善悪以前に、バランス感覚の悪さこそ真正バカの証しだね。
で、結局、何を言いたいかっていうと、「あの人はなぜそこまでと強欲に?」と思うとき、それは何かを取り返さなくては、って追い詰められている場合が多い。何かを欲しがっている、というよりは、ね。それも考え方次第で、別に追い詰められてなかったりするんだけど、そこがなんか、ちょっと視野が狭くなってるっていうか。そんなことまでしたら、かえって損になるってのが見えなくなってる。
一般論なんだけど、概して女の人は、お金に関して悪いことするってのは少ない気がするんだな。大金をなんとか得ようとする男の人は、それが男性としての価値、アイデンティティに繋がってるからだよね。でも、女はそうじゃない。女性の身で稼ぐのは、あくまでもプラス・アルファだからさ。女の人がお金に関する事件を起こすときって、背後で男が動いていて、その人との関係がその女性にとって一番大事だとか、あるいはそのお金がないと、その女性にとってもっと大事なものが失われるっていうふうに追い詰められていることが多い。
そしたら、なんで松川るいさんは、そこまで特権を使い倒そうとしたのかな。言われていることが本当だとすると、だけど。もちろん彼女は外務省出身で、大使館の利用方法とかをばっちり心得ていたと思う。東大出て官僚、さらに政治家になったわけだけど、女性であることで、自分には男性にはない余計な負荷がかかってるって感じてたんじゃないのかな。
そんな中でも、自分は優秀でなくてはならないというアイデンティティのもとに、家族のためにもベストを尽くさなくてはならないと思う、それは、女性特有の生真面目さからくるものだったかもしれない。そしたら優秀さの証として、自分が持つ特権によって最大限に効率よくタスクをこなしていく。徹底的にやることで、不利を有利に転換していく。それが、女性であるがゆえに自分に余計な負荷をかけ、能力を削がせている社会への意趣返しっていうか、そういった追い詰められ方をしてたんじゃないかなぁ、って気がする。
そーゆー損の取り返し方、穴埋めせずにいられない心理ってのは、男性や、エリートじゃない女性には理解しがたいと思うし、だから全然、擁護になってないと思うんだけど。まあ、緻密な知性を持つ本人にとっては、とにかく辻褄合わせることで頭がいっぱいになっちゃう瞬間があるんじゃないか。家族の世話や心配事も自分に余分に負荷がかかってきているし、でもお母さんはね、ちゃんとこんなにできるんだからね、って言う気持ちもあるかな。
だけど一方で最近、マジで優秀な女性政治家も、国・地方にかかわらず出てきたよね。なかにはルックスが美しい人もいるけれど、女性局とか家族なんとかとか、ジェンダーなんたらとか、そういった役職にはいっさい関わってない感じ。啖呵なんか切るとかっこいいし、言ってることも政治の本質をえぐるというか、権力の中枢に迫る内容が多くて、政治センスがある。われわれ見てる側は、女性だからなお応援する、アツくなるとかなわけだけど、本人はたぶん、自分が男か女かなんて、その瞬間には忘れてる、みたいな。そこがまたいいよね。
女性局だの家族なんたらとか、結局はそういう役職や施策って、政治の本質的な問題とはかけ離れて、単なるおためごかし、大衆を誤魔化すための口実、男女比の数合わせのためのお飾りポストに過ぎないって。それは引き受ける政治家も、かかわらない政治家もわかってるんじゃないか。引き受ける政治家は、それでも権力中枢との駆け引きとして、ご用があるならありがたく承りましょう、ということだろう。
だけどほんとは、自分が単に利用されてるだけだ、女であることを(よく聞く言葉で)搾取されてるだけだって意識がどっかにある。だとしたら、やっぱりそれを取り返そうという気持ちが湧くんじゃないか。女性なんたら、家族なんたらって役職からは、怪しい話や呆れる話、それもかなり低レベルのことが出てくるのは、その表れなんじゃないか。
ほんで、りょんさんは、NHK党の立花さんのウォッチャーではあるんだけど、政治家女子48党って、やっぱり悪手だったと思う。カワイけりゃが地方市議選ぐらい通るし、市議なんて寝てたって務まるような仕事だって、ホントのことをぶっちゃけるのが立花さんの面白いところなんだけど、建前っていうのはさ、意外と力を発揮する瞬間っていうのがあってさ。そこのところで、言っちゃ悪いけど、その程度の女の子たちが集まってしまい、その何人かの一人が大きなトラブルを起こす、そのとき建前がないことが党の命取りになる、少なくともそのきっかけを作ってしまう、みたいな。
女性に限らず、〝性〟にまつわることって究極のプライベートだから、それが政治的な表に出てくるってところで胡散臭い、無理がある気がする。男性でも、木原誠二内閣副官房長官の問題に関して、やっぱり彼にとっての〝性〟が表に出てきた時点で、この人はもう一流にはなれないって、はっきりしちゃったよね。
でもさ、木原さんについては、りょんさんはそれこそちょっと擁護したい気分なんだ。例の、奥さんの取り調べ捜査を邪魔するように警察に圧力をかけたんじゃないかって件もあるけど、その後に木原さん本人が違法風俗の常連で、って話が出てきて。それは笑っちゃうような、つまんない最後っ屁みたいになってるんだけど、木原さんの政治家生命を考えると、この一番くだらない話が、実はダメージ大きいかもしれないって気もするんだよね。だって、政治家の建前みたいなものを、完全になし崩しにしちゃうでしょ。
ただ、りょんさんが同情するのはさ、この木原さんの風俗の趣味がどういうわけか、すっごい年増趣味で、50歳代ぐらいの女性ばっかり指名してたっていうとこ笑。つまりこれは完全に木原さんのプライベートな趣味でさ、女をどうこうすることが自分のトロフィーになるとか、そういう話じゃないんだなぁ。なんかさ、思いっきり同情する気になった。50歳代の女しかムリって政治家、いいじゃん笑。悪いヤツではなさそう。
ただ、マヌケだよね。いろんな意味で。前にも書いたけど、政治家としてはそこまでの人なわけよ。そんなことが表に出ちゃって叩かれたのは、結局のところ岸田さんが無能で、木原さんに何でも丸投げするからだよね。そしてその岸田さんも、安倍さんさえ生きてれば、もうちょっと格好がついて、馬脚を現わす前に降ろされるってのが実現したと思うんだよね。すべてのバランスが狂ったのは、つまるところあの銃撃事件のせいで、やっぱり犯罪者が一番悪いわけよ。普通の結論だけど。
〝性〟っていえば、ジャニーズの性虐待がやっと表沙汰になって、国連からまで非難を受けて、メディアの責任も追及されて、つまり今日まで日本という国ごとそれを隠蔽してたって認定されてるわけだよね。要はジャニーズってのは、ある種の政治力を持ってたんだ。だからこそメディアも押さえつけられ、実際、タレントってのは政治的にも利用価値がある。そういうところで構造的に問題があったってこと、これもやっぱり外国から指摘されて初めて直面するってことかな。
そんで、まあ当然ちゃ当然のことながら、ジャニー喜多川さんを擁護したデヴィ夫人も叩かれている。たださ、デヴィ夫人はジャニーさんと親しかったから、単に感情的に擁護してるとか言われてるけど、それだけではないんじゃないか。そもそも非難を受けてまで、亡くなったジャニーさんを擁護するのは、ずいぶん義理堅い人だとも言えるわけだし。
デヴィ夫人というのは、もちろん政治家の妻であった人だけれど、もともとは広い意味での性産業、女性がその魅力を売り物にする世界に身を置いていた人だよね。今じゃセレブなんて呼ばれるけど、芸能界っていうのだってその一端だよ。そしてその世界では、その世界の仁義というか、優秀さの尺度があるはずなんだ。デヴィ夫人が言ってるのは、水商売と響き合う芸能界の仁義とか規範とか、そういうことじゃないか。
たしかにジャニーズ事務所には、演技の才能が開花したり、歌が上手かったりした人もいるけど、つまるところはさ、ちょっとダサめの大衆的な女の子たちに性的な幻想を与える、それによって同世代の男の子たちよりもずっとオイシイ人生を送ろうとする、そういういわば水商売に与する男の子たちの集団なわけだよね、ぶっちゃけ言えば。そしたらその〝性〟産業のプロとなるべき男の子たちが、普通のそこらにいる少年たちと同じように〝性〟被害を申し立てることができるのか、とデヴィ夫人は問題提起してるんじゃないかと思う。
もちろんジャニー喜多川さんは必ずしも芸能人志望じゃなかった人たちにも手を出していたようだし、断罪されるべきではないとはとても言えない。ただ、かつて慣例として容認されていたものが、「時代が変わったから遡って人権侵害」って一方的に言われても、と誰か一人ぐらいは弁護してもいいんじゃないか。芸能界というところの掟とが仁義とかは、たとえば水揚げする前の芸妓なんかに通じるところがあるんじゃないか。芸妓の水揚げとかつてのその文化や風習について、国連の人権団体がどのぐらい理解できるんだろう。
もちろん国際感覚として。その文化そのものがけしからん、後進国だって言うならわかるよ。捕鯨を始めとして、国際社会が日本に対して言うことは全部そうなんだから。そして言うまでもなく、ジャニーズ事務所からデビューして有名になった人たちで被害を訴えている人は誰もいない。すなわち今の自分の状態と比べて、また社会において人権意識が肥大化した今、支払った分が大きすぎた、今となっては釣り合わない、あらためて被害を感じる、という面もあるだろう。
フォーリーブスの誰かだったかな、「やられてない人もいるんだから、ジャニーズ出身者をそんなに白い目で見ないでほしい」って言ってたけど、いや、まったくそういう問題じゃないよね。いい歳して、それがわかんないってところが、まぁ成功したジャニっ子の最大の欠落、自己チューゆえの社会的センスのなさかもしれない。男の子たちが被害を訴えつつも、「それでもジャニーさんにはいろいろ教えてもらったから」と言うのに、眉をひそめる向きも多いけれど、ジャニーズ事務所が社会的教育機関としては機能してたのか、この点も検証する必要があるよね。
りょん
■ 金魚屋の評論集 ■
■ 金魚屋の本 ■
■ 金魚屋 BOOK SHOP ■
■ 金魚屋 BOOK Café ■