第7回 金魚屋新人賞(辻原登奨励小説賞・文学金魚奨励賞)を以下の通り発表します。
■ 辻原登奨励小説賞 ■
該当作なし
■ 文学金魚奨励賞 ■
高津敬三『つつくら』(俳句五十句)
【総評-辻原登】
■ 文学金魚奨励賞受賞 高津敬三『つつくら』(俳句五十句)■
【受賞の言葉】
文学金魚の詩誌時評(句誌)において、岡野隆氏が以下のように語っておられます。
「優れた作家は必ず思想的な基盤を持っている。もちろん作品を書くことと平行して思想を得てゆく場合が多い。ただ俳人は、過去の優れた俳句作家は必ず強力な思想的基盤を持っていることをもっと強く意識した方がよい。とにかく作品を書く、とりあえず書くだけではダメなのである。思想を得ることは俳句を相対化して捉えるのに役立つ。俳壇内部にいて誉められるのと、外部からの視線に耐え得る作品を書くのには明確な違いがある。俳句を客観視できなければ外の視線に耐え得る作品は生まれない。」
特に下線部分、一読、巨大な氷塊が崩落するようなインパクトがありました。同時に深奥に鬱積していたものが氷解する感覚も覚えました。これまでの認識領界にはなかった〝外部からの視線〟、この視線に耐え得る作品とは何か? この疑問に答えるには、実際に外部に作品を問うしか道はないと思い至り、今回の応募となりました。
幸運にも第7回文学金魚奨励賞をいただくこととなりましたが、この受賞作品がそのまま〝その答え〟なのだという短絡的な思いはありません。新たなスタートを切るチャンスと受け止め、真に外部からの視線に耐え得る作品を目指します。
文学金魚のみなさまには、作品発表の場を提供していただいたことに深く感謝いたします。その〝場〟を提供し続けるという大変な労苦、そして、それを押して今回の賞を授けてくださった辻原登先生、文学金魚のみなさまに改めて心より感謝申し上げます。ありがとうございました。
変化の激しい不透明な時代ですが、今後の文学金魚の更なるご発展に添えます、
水揺るる中を金魚の揺れずあり
最後に「銀化俳句会」主宰 中原道夫先生のこれまでのご指導、ご厚情に深く感謝申し上げます。ありがとうございました。
高津敬三
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■ 第8回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項 ■
第08回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項です。詳細は以下のイラストをクリックしてご確認ください。
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