第2回 金魚屋新人賞(辻原登奨励小説賞・文学金魚奨励賞)を以下の通り発表します。受賞者には記念品と副賞を授けるとともに受賞作は順次、文学金魚に掲載いたします。
■ 辻原登奨励小説賞 ■
寅間心閑 「再開発騒ぎ」
■ 文学金魚奨励賞 ■
星隆弘 「アリス失踪!」
【概評】
金魚屋では受賞作品数に制限を設けていないので、最終審査に残ったすべての作品が俎上に上がった。しかし結果として、受賞2作品以外は決め手を欠くという判断になった。このような選考経緯から今回は佳作を選ばなかった。最終審査に残った全候補作が佳作に該当すると考える。極めてレベルの高い選考になったことを喜ばしく思う。
その一方、辻原登奨励小説賞受賞作は、高レベルだが最終候補作の中で突出した作品であったわけでは必ずしもない。一長一短の評価の分かれる作品群において、そのバランス感覚によって他を抑え込んだという感がある。
文学金魚奨励賞受賞作はルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』新訳であり、応募ジャンルとしても、そのスタイルとしても意表を突いた。
すでに第3回金魚屋新人賞の募集も始まっているが、ツイッターなどで告知の通り、文学金魚では新人賞受賞者を含む文学金魚の書き手たちを講師に、読者参加型の連続セミナーを企画している。それにより金魚屋カルチャーとでも呼ぶべき文学土壌を育み、読者との交流によって文学金魚プラットホームから、一人でも多くの優れた作家を世に送り出したいと考えている。
文学金魚編集部
* 選考会議議事録を編集部でまとめました。
【辻原登奨励小説賞 受賞者略歴】
寅間心閑(Torama Shinkan)-「再開発騒ぎ」
1974年生まれ。
大学卒業後、少々不安定な時期を経て会社員になる。
労働と飲酒の合間を縫って、日々鋭意創作中。
【文学金魚奨励賞】
星隆弘 「アリス失踪!」
1986年生まれ。会津出身。東海大学大学院博士課程単位取得。研究分野はシェイクスピア戯曲とその翻訳。現在翻訳作品としてHemingway作”The Old Man and The Sea”を準備中。左投右打。
真摯な作品をお寄せくださった応募者の皆様全員に心から感謝いたします。
第3回 金魚屋新人賞の応募要項は
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