第6回 金魚屋新人賞(辻原登奨励小説賞・文学金魚奨励賞)を以下の通り発表します。
■ 辻原登奨励小説賞 ■
片島麦子『桜の下に還るモノ』(公募の際のお名前は「七星麦」)
■ 文学金魚奨励賞 ■
該当作なし
【総評-辻原登】
■ 辻原登奨励小説賞受賞 片島麦子『桜の下に還るモノ』■
【受賞の言葉】
子どもの頃から金魚が苦手でした。
時に優雅で、時にいびつで、うつくしいけれど毒々しいほどの色彩を身にまとい、新しい空気を求めて口をパクパクさせている姿を目にすると、恐怖で一目散に逃げだしたくなりました。
幸運にも、わたしはこれまでにいくつかの物語を世に送りだすことができています。
しかし小説家となった今、改めて周囲を見渡すと、昔はあんなに広大だった世界が自分のまわりだけ小さく、ともすれば閉じかかろうとしていることに気づきました。
酸欠で溺れそうになっているのは自分のほうだったのです。
これではいけないとわたしは世界を広げる試みをはじめました。
もはや金魚がこわいなどとごたくを並べている場合ではないのです。と云いつつも、ここには文学というものを学んでこなかった自分の居場所はないのかもしれない、そう思いながらおそるおそる足を浸しました。
結果、
辻原登奨励小説賞という身に余る賞をいただけたことには感謝しかありません。
辻原先生、文学金魚のみなさま、このたびはほんとうにありがとうございます。
少し、息が吸いやすくなりました。
もうしばらくこの世界で泳いでいこうと思います。
片島麦子
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■ 第7回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項 ■
第07回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項です。詳細は以下のイラストをクリックしてご確認ください。
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