金魚屋プレス日本版発足の辞

kinngyo

 

 

 

 

金魚屋プレス日本版は、地球規模の変容を見つめる視点となるために設立されます。

ジャンルを問わず、あらゆる文学が私達が向かう明日の姿を示唆する可能性があります。

 

二十一世紀文学は総合文学に向かいます。それは全世界的な傾向です。

文学が人類の知的活動として一定の役割を終え、多くの属性をサブカルチャーに譲り渡してしまった今、小説や詩とは何かが問題なのではありません。

大きな文化の枠組みの中で、文学そのものの役割が問われ、再定義される必要があります。

 

私達の試みには、世界共通の文学の基盤を明らかにするとともに、アメリカやヨーロッパ、日本といった地域性をより明確にする努力も含まれます。

日本文学がわからなければ、世界文学としての要件もまた満たせないのです。小説、自由詩、短歌、俳句などを総合的に捉えることで、初めて日本文学の特性が明らかになります。

 

私達の故郷は日本語です。金魚屋プレス日本版は、日本語で書かれるあらゆる文学の方向を見極め、私達の精神の行く末を照らす光りを見出そうとするものです。

金魚屋プレス日本版はその光りのすべてを広義の文学と呼びます。

 

金魚屋プレス日本版代表 齋藤都

 

 

 

 

「文學金魚」題字および金魚のイラストは、ニュージーランド人の気鋭の陶芸家、アロン・サイス(Aaron Scythe)氏の作品です。

 

【アロン・サイス略歴】

1971年 ニュージーランド オークランド生。

1986年(有)ホールズインダストリーで陶工として働く

1988年 キャリントン工芸学校で陶芸を学ぶ

1989年 家族と共にシドニーへ移住。イーストシドニー工芸学校へ転校。

1993年 オーストラリア スタートクラフトセンターの工房勤務。一人で穴窯を製作。この頃日本の「桃山茶陶」に触れる。

1995年 初来日。美濃・岐阜地区の作家より日本の陶芸を学ぶ。

1997年 益子町にて作陶開始

2006年 アトリエ完成。

2011年 東日本大震災によりニュージーランドへ帰国

 

サイス氏の作品は「トラッドマイスター倶楽部」で取り扱っています。

http://www.tradmc.com/