大野露井さんの連載小説『新故郷』(第07回)をアップしましたぁ。最初に文学金魚新人賞を受賞した小説『故郷-エル・ポアル-』があり、次に『故郷-エル・ポアル-』の注釈、そして今回の小説『新故郷』です。〝エル・ポアル〟は作家自身による注釈を間に挟んだ2つの作品から構成されます。
人間は好き嫌いという感覚的嗜好を持っています。文学でも当然それがあるわけで、個人的にあれ好き、これ嫌いと言うのはかまいませんが、パブリックな批評になればそういったことは度外視しなければなりません。文学の現状や文学史に即し、できるだけ客観的に作品の意義を明らかにする必要があります。
とはいえ人間に好き嫌いがあるということは、どんな作品でも必ずファンがつく可能性があるということです。だから思うように評価が得られない作家は、『本さえ出れば、これ好きって言ってくれる読者がいるのになー』と考えたりするわけです。それはその通りです。爆発的に売れるかどうかは別として、〝イイネ〟と評価してくれる読者は必ずいます。
つーことは問題はどうやって本を出すか、本を出した後に、どうやってより多くの読者を獲得してゆくのか、ということになります。このあたりになると卵と鶏の関係で、パブリックな意図が芽生えれば、好き嫌いといった感覚を相対化しやすくなります。自己作品をじょじょに客観化できるようになるわけです。もち自己作品の客観化は、どんどん作品を書くことでも芽生えます。作家は今書いている作品が一番の傑作に思えるというお目出度い動物ですから、新たな作品を書くと過去作品が相対化されるんですね(笑)。
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