大野露井さんの第1回 辻原登奨励小説賞受賞作『故郷-エル・ポアル-』(第04回)をアップしましたぁ。大野さんの小説は文体が面白いなぁ。「イタリア風に言えばコンキリエ、つまり貝の形のパスタを浮べたスープ、またしてもイタリア風に逃げることを許していただければ、ペンネをチーズで挟み固く焼き上げたラザニアや・・・オムレツ、そして今度はフランス風に逃げなければいけないが、野菜をとかしこんだ噛みごたえのあるキッシュ・・・最後に果物とコーヒー―を摂り、すぐにシエスタに入って栄養を閉じ込めていたので、この上さらに大がかりな飲食は必要なかったのだ」ってのは、プルーストみたひだなぁ(爆)。
んでキリスト教云々といった差を取り除けば、世界中どこでも同じやうな暮らしをしてるのねぇ。ある人が、もちろん日本人の作家ですけど、「俺の田舎で交わされてる会話って、神学のないドストエフスキーの世界のようなところがあるよ。みんなけっこう理屈っぽいんだ」と言っていたのを思い出しました(爆)。東西の文化的差異って、見方によってはとっても大きなものになるし、視点を変えれば小さなものにもなります。もちろんどこに視点を置くかによって、作家が作り出す作品の質が大きく変わるわけです。
ところで第2回金魚屋新人賞の締め切りが近づいてきました。締め切りは3月31日です。みなさまどしどしご応募くださいませっ!。
■ 大野露井 連載小説『故郷-エル・ポアル-』(第04回) pdf版 ■
■ 大野露井 連載小説『故郷-エル・ポアル-』(第04回) テキスト版 ■