総合文学ウェブ情報誌 文学金魚

私達の故郷は日本語です。金魚屋プレス日本版は、日本語で書かれるあらゆる文学の方向を見極め、私達の精神の行く末を照らす光りを見出そうとするものです。 金魚屋プレス日本版はその光りのすべてを広義の文学と呼びます。

金魚屋プレス日本版代表 齋藤都

鶴山裕司『続続・言葉と骨董』
第001回 焼き物について

第001回 焼き物について

金魚屋プレスの齋藤都さんから、総合文学ウェブ情報誌「文學金魚」を開設するのでなにか原稿をと依頼されたのだが、あんまり持ち合わせのネタがない。だいたい僕はまったくもって多趣味ではないのだ。自由詩については作品と詩論を発表し […]
第056回 ヨルバ族のオポン・イファ(後半)

第056回 ヨルバ族のオポン・イファ(後半)

【参考図版】オポン・イファの使い方      この老人がそう言って約束してくれたので、わたしは早速、出かけて行った。しかし一マイルばかり行ってから、わたしはシュジュの一つを使い、またたくまに、非常に大 […]
第056回 ヨルバ族のオポン・イファ(前半)

第056回 ヨルバ族のオポン・イファ(前半)

オポン・イファ(Opon Ifá 占い用のお盆)(著者蔵) ナイジェリア・ヨルバ族 19世紀中頃~20世紀初頭 縦25.4×横26.2×厚1.3センチ(いずれも最大値)      骨董にも地理的制約は […]
第055回 魔法使いのクートラスおじさん(後半)

第055回 魔法使いのクートラスおじさん(後半)

『ブルターニュの老女』 縦八一×横五四センチ 油彩 一九六七年 『Robert Coutelas 1930-1985』(エクリ)より   『月の光の住人たち』 縦一一六×横八〇センチ 油彩 一九六七年 同 &n […]
第054回 魔法使いのクートラスおじさん(前半)

第054回 魔法使いのクートラスおじさん(前半)

『Robert Coutelas 1930-1985』(エクリ)より      ちょうど去年の今頃ロベール・クートラスについて書いた。というかクートラスについて書くのは今回で三度目だ。最初に見た渋谷の […]
第053回 フレンチ・デルフト、イングリッシュ・デルフト(後半)

第053回 フレンチ・デルフト、イングリッシュ・デルフト(後半)

〝abondance 1789〟文字入りフレンチ・デルフト色絵皿 フランス 一七八九年(著者蔵) 口径二三・四×高さ三・四センチ(いずれも最大値)      情報伝達技術が発達していなかった十九世紀中 […]
第052回 フレンチ・デルフト、イングリッシュ・デルフト

第052回 フレンチ・デルフト、イングリッシュ・デルフト

シノワズリのイングリッシュ・デルフト染付深皿 イギリス 十八世紀中期から後半頃(著者蔵) 口径二二・二×高さ三・八センチ(いずれも最大値)      今回はオランダ以外の国々に、どうデルフト焼が伝わっ […]
第051回 江戸の端午の節句幟(後半)

第051回 江戸の端午の節句幟(後半)

『椿説弓張月』絵幟 八町礫紀平治(はっちょうつぶてのきへいじ) 江戸時代 文化文政頃      滝沢馬琴の『椿説弓張月(ちんせつゆみはりづき)』を読み飛ばしたのはもうだいぶ前で(もちろん活字版)、読ん […]
第050回 江戸の端午の節句幟(前半)

第050回 江戸の端午の節句幟(前半)

『椿説弓張月』絵幟 源為朝(みなもとのためとも) 江戸時代 文化文政頃      現在では五月五日は子供の日で祝日だが、端午(たんご)の節句や菖蒲の節句とも言う。端午は旧暦五月の最初の牛の日のことで、 […]
第049回 インドネシアのワヤン(後半)

第049回 インドネシアのワヤン(後半)

     ワヤンの物語の多くは『ラーマーヤナ』と『マハーバーラタ』を元にしている。古代インドの二大叙事詩で原典はサンスクリット語である。『ラーマーヤナ』は七編構成で、三十二音節の対句(シュローカ)が二 […]
第048回 インドネシアのワヤン(前半)

第048回 インドネシアのワヤン(前半)

     骨董は辞書的な定義では「美術的価値や希少性の高い古物」と「今では役に立たなくなった古物」の二つの意味がある。テレビの『なんでも鑑定団』などを見ていてもそれは納得できるだろう。古ぼけて小汚い軸 […]
第047回 御道具(後半)

第047回 御道具(後半)

     茶道は書道になぞらえて、真(しん)・行(ぎょう)・草(そう)の三つの様式に分けて語られることが多い。茶室で言えば真は書院、草は草庵である。御道具では真は東山御物に代表される唐物、草は和物で、 […]
第46回 御道具(前半)

第46回 御道具(前半)

     茶道の世界ではお茶席で使う棗や茶杓、茶碗などを「御道具」と呼ぶ。値段を言えば高価な物から安物まであるわけだが、基本はお茶を楽しむための道具という位置づけである。また現在では宗家がオーソライズ […]
第045回 ロベール・クートラスのクリスマス・オーナメント(後編)

第045回 ロベール・クートラスのクリスマス・オーナメント(後編)

     彼が生まれたヴァレット通りに近くて、最後の夜を過ごしたSのアパートのすぐそばにあるサンテチエンヌ・デュ・モン教会を、彼はとっても好きだった。あそこには優しい聖ヴィンセンシオの肖像(フィリップ […]
第044回 ロベール・クートラスのクリスマス・オーナメント(前編)

第044回 ロベール・クートラスのクリスマス・オーナメント(前編)

     文学金魚編集人の石川良策さんから「今年もクリスマス骨董について書いてくださいませぇ」というメールが来た。石川さんは意外とイベント好きなようだ。「なぜお正月じゃなくてクリスマスなんですか?」と […]
第043回 年紀の入ったアイヌ盆(後編)

第043回 年紀の入ったアイヌ盆(後編)

子持盆 森銀之丞旧蔵とは違う作品。製作年代は不明。      意外に思われるかもしれないが、アイヌの民具類は世界中の美術館や民族博物館にまとまった量が所蔵されている。代表的なものをいくつか挙げると、ロ […]
第042回 年紀の入ったアイヌ盆(前編)

第042回 年紀の入ったアイヌ盆(前編)

     僕がアイヌに興味を持ったのは、親しくしている骨董屋さんがアイヌを始め、ウイルタ、ニブフなどの北方少数民族の民具を大量に買いつけてきたからだった(もう売ってしまったようですが)。それまで北方少 […]
第041回 渥美壺(後編)

第041回 渥美壺(後編)

     北海道を北にした通常の日本地図で見ると、愛知県にはクワガタの歯のような二つの半島がある。向かって右側が渥美半島でここで渥美焼が作られた。左側が知多半島で常滑焼の産地である。渥美、知多半島に行 […]
第040回 渥美壺(前編)

第040回 渥美壺(前編)

     人間は〝眼の記憶〟を持っていると思う。この能力は文字などを覚える記憶より鮮烈で強いものだろう。子供時代の風景や生活の一コマをいつまでも覚えていることなどが典型的だが、美術でも眼の記憶はある。 […]
第039回 浄法寺塗(後編)

第039回 浄法寺塗(後編)

     盛岡に行くといつも訪ねる友人がいて、観光スポットやおいしいお店などに連れて行ってくれる。盛岡はとても美しい町だ。市内を北上川が流れ、その支流である中津川、雫石川の三本の川が盛岡商工会議所のあ […]
第038回 浄法寺塗(前編)

第038回 浄法寺塗(前編)

     以前、鎌倉出土の漆器椀残闕、李朝のお膳と漆器について二回書いたが、今回は東北ならではの漆器を取り上げたい。浄法寺塗(じょうほうじぬり)である。浄法寺は岩手県北部の、今の浄法寺町あたりで作られ […]
第037回 スペインの陶器(後編)

第037回 スペインの陶器(後編)

白地多彩草花文タイル スペイン セヴィリア地方 クエンカ技法 十六世紀初頭 縦9×横9センチ(著者蔵)      図版掲載したのはレコンキスタ間もないスペインのセヴィリア地方で盛んに作られたタイルであ […]
第036回 スペインの陶器(前編)

第036回 スペインの陶器(前編)

日本で水指として伝世したスペインのアルバレロ型の壺(著者蔵)      僕は異文化同士が衝突した際に生まれる美術品が好きだ。もちろんどんな国や民族、宗教共同体も、様々な異文化との衝突や交流によって現在 […]
第035回 ロベール・クートラス賛(後編)

第035回 ロベール・クートラス賛(後編)

『風景画』(油絵だが制作年代と大きさは不明)   『ブルターニュの老女』 一九六七年 油彩 縦一一五・五×横八一センチ 2点とも『クートラスの思い出』(岸真理子・モリア著 発行所/株式会社リトルモア 2011年 […]
第034回 ロベール・クートラス賛(前編)

第034回 ロベール・クートラス賛(前編)

『無題』 一九八一年 グァッシュ・紙 縦四〇×横三〇センチ 『ロベール・クートラス作品集 僕のご先祖様』(発行所/エクリ 企画/岸真理子・モリア+エクリ 2015年2月8日刊行)より      美術家 […]
第033回 【祝!北陸新幹線開通】南桂子賛(後編)

第033回 【祝!北陸新幹線開通】南桂子賛(後編)

『さくらんぼの木』 エッチング、紙 縦三九・四×横二八・三センチ 昭和三十七年(一九六二年)   『異国の鳥』 エッチング、ソフトグランドエッチング、紙 縦三四×横二八・四センチ 昭和四十五年(一九七〇年) & […]
第032回 【祝!北陸新幹線開通】南桂子賛(前編)

第032回 【祝!北陸新幹線開通】南桂子賛(前編)

『2人の少女と風せん』 エッチング、紙 縦三五・五×横二八・九センチ 昭和四十九年(一九七四年)      僕は富山県富山市出身だが、今年の三月十四日に北陸新幹線が開通して、東京-富山間が最短で二時間 […]
第031回 李朝のお膳(後編)

第031回 李朝のお膳(後編)

【参考図版】浅川巧画の朝鮮の膳の分類図 『朝鮮の膳』(昭和三年[一九二八年]刊)より      巧が生前に刊行した本は昭和三年(一九二八年)刊の『朝鮮の膳』一冊のみである。図版はその中の挿絵だが、兄の […]
第030回 李朝のお膳(前編)

第030回 李朝のお膳(前編)

李朝雲鶴柘榴大極螺鈿統営盤(著者蔵)      前回、日本の瀬戸地方(現・愛知県)で焼かれた「大福文字の瀬戸石皿」について書いた。庶民が生活の中で使っていた道具で、そういった日用品を骨董の世界では〝民 […]
第029回 大福文字の瀬戸石皿

第029回 大福文字の瀬戸石皿

瀬戸石皿(部分) (著者蔵)      お正月なので、おめでたい「大福」文字が入った瀬戸石皿について書こうと思う。大福というとすぐに大福餅を思い浮かべてしまうが、大福餅を山盛りに積み上げるために作られ […]
第028回 フィリピンのサント(後編)

第028回 フィリピンのサント(後編)

マリア像(頭部) (著者蔵)      骨董業界ならではの興醒めなことを書くと、日本で流通しているキリスト教の立像イコンは圧倒的にフィリピン製が多い。ただフィリピン製だとわかっていても、スペイン製や隠 […]
第027回 フィリピンのサント(前編)

第027回 フィリピンのサント(前編)

聖母子像(部分) (著者蔵)      文学金魚編集人の石川さんから、プチ・クリスマス特集をしたいのでなにかふさわしい原稿をと依頼されたので、今回はキリスト教美術について書こうと思う。フィリピンのサン […]
第026回 茶陶唐津

第026回 茶陶唐津

古唐津向付 (著者蔵)      お茶の世界には「一楽二萩三唐津」という言い方がある。茶道で使う抹茶碗には楽や荻、唐津が最適だという意味である。楽焼は言うまでもなく、千利休が天正年間に聚楽第の瓦職人だ […]
第025回 さて、古唐津

第025回 さて、古唐津

古唐津酒盃、徳利、皿 (著者蔵)      古唐津は好きでちょこちょこ集めているが、書くとなるとどうも筆が進まない。以前この連載で、日本人にとって最高の焼物は〝作為が感じられない作為ある焼物〟であると […]
第024回 太田垣蓮月尼の信楽水指(後編)

第024回 太田垣蓮月尼の信楽水指(後編)

太田垣蓮月作信楽焼水指 (著者蔵)      大田垣蓮月が、維新の混乱期にあって女ながら日本のゆくべき道を極めてあやまらなかったことは、自ずから皇国護持の精神を発揮したものといってよい。  しかも、内 […]
第024回 太田垣蓮月尼の信楽水指(前編)

第024回 太田垣蓮月尼の信楽水指(前編)

太田垣蓮月作信楽焼水指 (著者蔵)      前回の連載で、最近では江戸は非・鎖国だったという議論があることを紹介して、「歴史解釈は絶対ではない。それは各時代の〝現代情勢〟によって変化する」と書いた。 […]
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