総合文学ウェブ情報誌 文学金魚

私達の故郷は日本語です。金魚屋プレス日本版は、日本語で書かれるあらゆる文学の方向を見極め、私達の精神の行く末を照らす光りを見出そうとするものです。 金魚屋プレス日本版はその光りのすべてを広義の文学と呼びます。

金魚屋プレス日本版代表 齋藤都

親御さんのための読書講座・中学受験篇
No.001 親御さんのための読書講座・中学受験篇

No.001 親御さんのための読書講座・中学受験篇

子供向けのブック・レビューを、という依頼で、このコーナーを始めることになった。   読書離れの進んだ今日、本という楽しみを知らずに育つことの貧しさを思うと、そしてそれが貧しいことだとも知らずにいることを思うと、 […]
No.043 『都の子』 江國香織著

No.043 『都の子』 江國香織著

     特にレベルが高いとされる中学校の入学試験などで、俳句的な心性を問う、というのがときおり見受けられる。俳句の知識や鑑賞では必ずしもなくて、あくまで俳句的と思われるものへの感受性だ。季節感という […]
No.042 『なつかしい時間』 長田弘著

No.042 『なつかしい時間』 長田弘著

     20世紀から21世紀にかけて失われゆくもの、失ってはならないものを語るというものだが、それは結果であり、ときどきのエッセイを集めたものだ。ただ全体には確かに一貫した危機感が流れている。詩人は […]
No.041 『グラウンドの空』 あさのあつこ著

No.041 『グラウンドの空』 あさのあつこ著

     あの『バッテリー』シリーズを読んだら、他の作品も読みたくなるだろう。もちろん『バッテリー』に描かれていたのは、本などあまり読みそうにない少年たちで、またその作品のレベルからして本を読み慣れて […]
No.040 『やっぱり見た目が9割』 竹内一郎著

No.040 『やっぱり見た目が9割』 竹内一郎著

     タイトルのインパクトについては、それが逆説に響くからだろう。本文中にもあるが、我々は、「見た目で判断するな」ということを小学校から刷り込まれている。民話にもボロを着た神さまを邪険にしてバチが […]
No.039 こまった人 養老孟司著

No.039 こまった人 養老孟司著

     時代の移り変わりというものは、必ずしも「いまどきの若いもん」によって表象されるわけではないと思う。むしろ「いまどきの年寄り」によって差異がより明確化しやすい、ということはないか。若いもんがい […]
No.038 ハッピーノート 草野たき著

No.038 ハッピーノート 草野たき著

     児童文学というのは、何のためにあるのか。こういったものを読むたびに思う。つまらないわけではない。それなりに面白い。しかも子供にとっては未知のこと、役に立つだろう経験の先取りといった効用もある […]
No.037 ショートショートの広場 阿刀田高編

No.037 ショートショートの広場 阿刀田高編

     中学入試に、星新一のショートショートが出題されたのは見たことがある。他の作者のものも次から次へと頻出する、という状況ではないようだが、今後はどうだろう。詩が出題されるのだから、ショートショー […]
No.036 無名仮名人名簿 向田邦子著

No.036 無名仮名人名簿 向田邦子著

『無名仮名人名簿』 向田邦子著      エッセイの名手として、その作品はたびたび入試にも取り上げられるが、小学生などに読ませる場合には、どうしても子供の頃の思い出、また両親(向田邦子の場合は父親のこ […]
No.035 こころの処方箋 河合隼雄著

No.035 こころの処方箋 河合隼雄著

『こころの処方箋』 河合隼雄著      個別のカウンセリングでない、一般論を述べたものがピンとくる、自分に当てはまると思えるときと、そうかなあ、としか思えないときとの落差は大きい。前者の場合、まずそ […]
No.034 思考の整理学 外山滋比古著

No.034 思考の整理学 外山滋比古著

『思考の整理学』 外山滋比古著      古い本である。しかし売れ続け、このところまた言及されることが多い。一種のハウツー本として、即効性を期待されている面もあろうか。が、方法論としては個人的にすぎる […]
No.033 間宮兄弟

No.033 間宮兄弟

     男の子にとって読みやすいという、江國香織としてはめずらしい作品である。児童文学出身の著者だが、中学入試の出題としては最難問レベルとなる。最近は大人向けの作品でも普通に出されるから、いずれにし […]
No.032 たまごを持つように

No.032 たまごを持つように

    児童書は、やはり普通の小説本とは違う、と思わせるものだ。こういう真っ直ぐな成長物語は、大人の読む本ではあり得ない。もちろん大人とて変化も成長もするのだが、横にぶれたり、後戻りしたりしながら、な […]
No.031 またやぶけの夕焼け

No.031 またやぶけの夕焼け

  とにかく子供が笑う。特に男の子がゲラゲラ笑い転げるのである。70年代の八王子、男の子たちがバカなことをして遊びまわる姿が描かれている。ゲームや塾に追われる今の子供たちにとっては、見知らぬ世界では、と思われる […]
No.030 楽隊のうさぎ

No.030 楽隊のうさぎ

  中沢けいは、思い起こせば『海を感じる時』という作品で、ほとんど大学入学とともにデビューして話題になった。群像新人賞がまだ話題になり得た時代のことだ。そのとき確か選者の吉行淳之介が、若いのでそれと知らず、タブ […]
No.029 自転車冒険記-12歳の助走

No.029 自転車冒険記-12歳の助走

『自転車冒険記-12歳の助走』竹内真   かわいい子には旅をさせて、そこでの成長を確認するというビルディングス・ロマンである。その点では言うことがない。言うことなしの成長物語でもあるかもしれないが、成長というこ […]
No.028 はとの神様

No.028 はとの神様

『はとの神様』関口尚   はとのレースについて、ごく丁寧に書かれている。今となってはマイナーな趣味だが、子供にとってはメジャーもマイナーも無関係だ。そこから何を掬いだすかは子供次第で、無限に可能性がある。さらに […]
No.027 サッカーボーイズ

No.027 サッカーボーイズ

『サッカーボーイズ』はらだみずき   あさのあつこ『バッテリー』のシリーズと共通点があるように思えて、その読者が手にとることが多いのではないか。著者の名前が平仮名というのも同じだし。が、それを期待すると、がっか […]
No.026 12歳からの現代思想

No.026 12歳からの現代思想

『12歳からの現代思想』 岡本裕一朗著   現代思想のさまざまな概念をわかりやすく説明したという触れ込みである。『14歳からの哲学』の類品とみるべきだろうか。「14歳から」でも中学入試の頻出となったわけで、「1 […]
No.025 ライ麦畑でつかまえて

No.025 ライ麦畑でつかまえて

  村上春樹の新訳『キャッチャー・イン・ザ・ライ』が出ているが、あえてこの懐かしいタイトル『ライ麦畑でつかまえて』で挙げたい。そもそも『ライ麦畑でつかまえて』を知らない読者に、カタカナだらけの題を覚えさせること […]
No.024 生きもののおきて

No.024 生きもののおきて

  動物写真家、岩合光昭のカラー写真をふんだんに交えたエッセイ集だ。いわゆる動物ものは、とりわけ子供を対象としたものは、動物をメタファーとして人間を描いているものや、あるいは生物学といった科学の一環として捉えて […]
No.023 君の可能性―なぜ学校に行くのか

No.023 君の可能性―なぜ学校に行くのか

  1981年に没した教育者のエッセイである。大筋では子供の側に立ち、人には無限の可能性がある、という論旨だ。自分の都合で先を決めつけたがる教師らに苦言を呈するというのは、今も昔も、読者の子供たちは共感するだろ […]
No.022 14歳からの哲学 考えるための教科書

No.022 14歳からの哲学 考えるための教科書

  池田晶子さんは惜しくも若くして亡くなった文筆家で、この本は中学入試の頻出図書として知られる。子供向けの人生論の書物は他にもいろいろとあるものの、『14歳からの哲学』が名著とされるのは、それが文字通り「哲学」 […]
No.021 トム・ソーヤーの冒険

No.021 トム・ソーヤーの冒険

  子供に翻訳ものを読ませる必要があるとして、それは手に取る側にしてみると、たまたま翻訳ものだった、ということに過ぎないことが多い。入試対策のビルディングス・ロマン(成長物語)であれ、おしゃれな舶来ふうの絵本で […]
No.020 宮沢賢治『注文の多い料理店(宮沢賢治作品集) 』

No.020 宮沢賢治『注文の多い料理店(宮沢賢治作品集) 』

  いわゆる童話である。子供にとって難解なところはないし、大人の世界のことを知らなければならないわけでもない。が、子供たちをふるい落とすための中学受験で、必読書の一つとなっている。それも六年生ぐらいで勉強するの […]
No.019 江國香織『すいかの匂い 』

No.019 江國香織『すいかの匂い 』

  数年前の芝中学の入学試験で、江國香織の『神さまのボート』から出題された。あんな小説を子供の入学試験、それも男子校の入試に出して、どうするんだ、と思った向きも多いだろう。もちろん出題は小説の部分にすぎず、全体 […]
No.018 江國香織『すきまのおともだちたち』

No.018 江國香織『すきまのおともだちたち』

  物語の趣向としては、非常によくあるものである。いわゆる別世界へ入り込む系、典型的なファンタジーだ。   「私」はときおり「すきま」に落ちる。どの瞬間にそれがやってくるのか、わからない。道に迷ったと […]
No.017 谷川俊太郎『沈黙のまわり』

No.017 谷川俊太郎『沈黙のまわり』

  谷川俊太郎は現存にして、すでに文学史上にいる唯一の詩人である。教科書にも出ているし、小学生であっても知らなくてはならない。と、特に心がけなくても、テレビ CM に使われているものなど、いくつかの代表作は目に […]
No.016 谷川俊太郎『谷川俊太郎詩選集1~3』

No.016 谷川俊太郎『谷川俊太郎詩選集1~3』

  詩は読み方も書き方も、教えられるものではない。生まれつきの感覚が多分にあるが、ではそれは一握りの者しか持ち合わせないのかと言うと、そんなことはない。子供はたいてい生まれつき、詩のリズムに反応する。だからこそ […]
No.015 向田邦子『父の詫び状』

No.015 向田邦子『父の詫び状』

  子供にとって最も難敵なのは、実はエッセイだ。中学入試などで随筆、エッセイを出題する傾向が続いているが、物語と違って、そもそも子供向けに書かれた随筆というものはない。   出題にはきっかけや口実も必 […]
No.014 浅田次郎『鉄道屋』

No.014 浅田次郎『鉄道屋』

  「泣ける」と一口に言っても、それが人それぞれなのだから、難しくもあり、面白くもある。いつだったか『初恋の来た道』という中国の映画を観ていて、女の子が作った餃子(だったか?)を持って男を追いかけてゆくという場 […]
No.013 乃南アサ『家族趣味』

No.013 乃南アサ『家族趣味』

  特に児童書とはいえない、大人向けの小説が中学入試にも出題されるケースが増えている。児童書についてはすぐに出し尽くされてしまい、特定の作品があちこちで出た、と言われてしまうのだから、広く目が向けられるようにな […]
No.012 工藤直子『まるごと好きです』

No.012 工藤直子『まるごと好きです』

  工藤直子は、その『てつがくのライオン』など、動物が出てくる子供向けの詩を最近、よく目にするようになった。コピーライター出身で、いわゆる詩壇といったところとは無縁であった人のようだ。   本書はエッ […]
No.011 石田衣良 『約束』

No.011 石田衣良 『約束』

  池田小学校の事件をきっかけに書かれたという表題作を始め、「回復」してゆく人々が描かれている。石田衣良の、しかし最も優れた手腕は状況の設定と説明、つまりは物語の始まるところにある。「回復」以前に、いわば「底」 […]
No.010 野田知佑 『少年記』

No.010 野田知佑 『少年記』

  中学入試に頻出とまではいかないが、必読書の一つである。というのも、類似の本が見当たらない。いや自然を礼賛したり、自然に囲まれた少年時代を懐かしむという類いの作品はあるのだが、ここまで徹底した意識で書かれたも […]
No.009 ルーシー・モンゴメリー『赤毛のアン』

No.009 ルーシー・モンゴメリー『赤毛のアン』

  「赤毛のアン」が中学の入試問題になっているとは、ちょっとイメージできなかった。日本の名作は出尽くして、新作だと特定のものが出題される傾向があり、その結果、古典の翻訳ものが出ることが多くなったという。しかしそ […]
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