総合文学ウェブ情報誌 文学金魚

私達の故郷は日本語です。金魚屋プレス日本版は、日本語で書かれるあらゆる文学の方向を見極め、私達の精神の行く末を照らす光りを見出そうとするものです。 金魚屋プレス日本版はその光りのすべてを広義の文学と呼びます。

金魚屋プレス日本版代表 齋藤都

BOOKレビュー
No.052 『わくせいキャベジ動物図鑑』tupera tupera著(アリス館刊)

No.052 『わくせいキャベジ動物図鑑』tupera tuper・・・

     傑作である。何が傑作といって、想像力が正しい方向を向いている。正しいか正しくないかはどうやって判断するかというと、それが細部にまでおよび、しかも無理を感じさせずに展開しているのならば間違いな […]
No.051 『うんこ!』サトシン・著 西村敏雄・イラスト(文溪堂刊)

No.051 『うんこ!』サトシン・著 西村敏雄・イラスト(文溪堂・・・

     なぜ子供はうんこが好きなのだろう。うんこ関係でちょっといいものだったら、ロングセラー間違いなしなのだから、あらゆる物書き・絵描きは一度は考えるべきではなかろうか。どーしても手を汚したくない、 […]
No.050 『えんとつの町のプペル』にしのあきひろ著(幻冬舎刊)

No.050 『えんとつの町のプペル』にしのあきひろ著(幻冬舎刊)

     『えんとつの町のプペル』はお笑いコンビ・キングコングの西野亮廣さんの最新絵本である。絵本作家としてのペンネームは〝にしのあきひろ〟だ。『プペル』は三十万部近く売れ、Amazonの絵本ランキン […]
No.049 『シラユキさんとあみあみモンスター』アンネマリー・ファン・ハーリンゲン著 野坂悦子訳(BL出版刊)

No.049 『シラユキさんとあみあみモンスター』アンネマリー・フ・・・

     絵本の賞をいくつか受賞している。絵本のイラストがどうあるべきか、ということに一つの秀れた答えを与えていると思う。それはやはり「絵画」とは違う。テキストとともにあるものなので、テキストを拒絶す […]
No.026 死者たちを詠うということ―福島泰樹歌集『哀悼』

No.026 死者たちを詠うということ―福島泰樹歌集『哀悼』

書名:『哀悼』福島泰樹著 発行:皓星社  初版発行:2016年10月30日 定価:2,000円(税別)      『哀悼』は福島泰樹さんの二十九冊目の歌集です。処女句集『バリケード・一九六六年二月』が […]
No.048 『もりのなか』マリー・ホール・エッツ著

No.048 『もりのなか』マリー・ホール・エッツ著

     この本については、前に書かなかったっけ、とページを見返してしまった。なぜそんなことを思うのか。あまりに多くの人がこの本について言及していて、それが自分の言葉だったように勘違いするのか。そんな […]
No.047 『十二支の年越し』川端誠著

No.047 『十二支の年越し』川端誠著

     重厚感のある木版画ふうの絵が好ましい。年越しのイメージはこうであるべきだ、というものを体現している。どうやら絶版のようだが、このままで復活してもらいたい。何もかも、特に子供向けのものはサイズ […]
No.003 『リリアン卿:黒弥撒』(ジャック・ダデルスワル=フェルサン著)への招待――大野露井(訳者)インタビュー

No.003 『リリアン卿:黒弥撒』(ジャック・ダデルスワル=フェ・・・

    —『リリアン卿』はオスカー・ワイルドに向けて書かれているのでしょうか。    非常に強く意識していることは間違いないでしょうね。ちょっと日本の場合に置き換えてみたいのですが、例えば文学青年が出 […]
No.025 シュルレアリスムの正統後継者―朝吹亮二評論集『アンドレ・ブルトンの詩的世界』(後編)

No.025 シュルレアリスムの正統後継者―朝吹亮二評論集『アンド・・・

書名:『アンドレ・ブルトンの詩的世界』 発行:慶應義塾大学法学研究会 発売:慶應義塾大学出版会株式会社 初版発行:2015年10月30日 定価:4,900円(税別)      アンドレ・ブルトンとフィ […]
No.024 シュルレアリスムの正統後継者―朝吹亮二評論集『アンドレ・ブルトンの詩的世界』(前編)

No.024 シュルレアリスムの正統後継者―朝吹亮二評論集『アンド・・・

書名:『アンドレ・ブルトンの詩的世界』 発行:慶應義塾大学法学研究会 発売:慶應義塾大学出版会株式会社 初版発行:2015年10月30日 定価:4,900円(税別)      朝吹亮二の『アンドレ・ブ […]
No.023 インサイドアウト―馬場あき子インタビュー集『穂村弘が聞く馬場あき子の波瀾万丈 寂しさが歌の源だから』

No.023 インサイドアウト―馬場あき子インタビュー集『穂村弘が・・・

書名:『穂村弘が聞く馬場あき子の波瀾万丈 寂しさが歌の源だから』 発行:角川文化振興財団 発売:株式会社KADOKAWA 初版発行:2016年6月25日 定価:1,800円(税別)      『寂しさ […]
No.046 『不思議で美しい石の図鑑』山田英春著

No.046 『不思議で美しい石の図鑑』山田英春著

     あまりにも不思議である。飽かず眺めてしまう。いつまでも見ているのは、何か読もう、読みとろうとするからだが、相手は石だ。しかし石だから見ている。アートとしか思えない模様だが、固有のアーチストの […]
No.022 われらは終わりの始まりの時代にいるが、時代精神は軽い―新倉俊一詩集『転生』

No.022 われらは終わりの始まりの時代にいるが、時代精神は軽い・・・

     ここしばらく新倉俊一先生の新詩集『転生』を持ち歩いて読んでいた。一千行の長篇詩なのだがB5版変形の小さな本で、総ページ数も八十二ページと薄い。この物理的な本の小ささと軽さが心地良い。 &nb […]
No.045 『原色日本島図鑑―日本の島443 有人島全収録』加藤庸二著

No.045 『原色日本島図鑑―日本の島443 有人島全収録』加藤・・・

     実に心惹かれる。これはどうしてだろうか。なぜ我々は島が好きなのだろう。それは日本が島国、と呼ばれることと関係しているのか、していないのか。大陸の国でも、岸に近い島、あるいは川の中洲をリゾート […]
No.021 新倉俊一詩集『王朝その他の詩篇』

No.021 新倉俊一詩集『王朝その他の詩篇』

     詩とともに生きる、ということはどういうことか。それがテーマであると言える詩集だと思う。それはプレテクストとともに生きることでもあり、私たちが産まれ落ちた文化の中で生きることでもあり、その両方 […]
No.003 『いい加減人生相談 [Kindle版]』 適当占い師いけのり著

No.003 『いい加減人生相談 [Kindle版]』 適当占い師・・・

     いけのりは耳年増である。たぶんご本人は「耳だけじゃなくて年増そのもの」と応えるに相違ないが、まだまだ30代半ば、しかし耳年増、それも史上最強の類いだ。さもなければ人生相談などできるものではな […]
No.044 『伝説の谷―信州鬼無里の伝承』ふるさと草子刊行会(編集)

No.044 『伝説の谷―信州鬼無里の伝承』ふるさと草子刊行会(編・・・

     長野県の鬼無里(きなさ)村周辺の伝説をまとめた郷土の本である。鬼無里という名の由来を推察するところからも、豊かな物語に満ちている。古来からの地名や言い伝えに想像が深まり、果てしなく広がりをみ […]
No.043 『都の子』 江國香織著

No.043 『都の子』 江國香織著

     特にレベルが高いとされる中学校の入学試験などで、俳句的な心性を問う、というのがときおり見受けられる。俳句の知識や鑑賞では必ずしもなくて、あくまで俳句的と思われるものへの感受性だ。季節感という […]
No.042 『なつかしい時間』 長田弘著

No.042 『なつかしい時間』 長田弘著

     20世紀から21世紀にかけて失われゆくもの、失ってはならないものを語るというものだが、それは結果であり、ときどきのエッセイを集めたものだ。ただ全体には確かに一貫した危機感が流れている。詩人は […]
No.043 『旅猫リポート』 有川浩著

No.043 『旅猫リポート』 有川浩著

     『吾輩は猫である』への言及から始まる。その意味では、通常の児童文学、絵本とは毛色が違う。週刊文春に連載されていた小説だから、もともとは大人が読者だった。位置付けとしては児童文学ということらし […]
No.042 『中国食物事典』 田中静一・編著 洪光佳・監修

No.042 『中国食物事典』 田中静一・編著 洪光佳・監修

     事典の快楽というものは確かにある。それはこの時代にも厳然として残っている、と確認できる。私たちは無限に広がる知識を求めているが、それは可能性として残されているものであってもよい。急を要する情 […]
No.020 詩の力を信じるということ-新倉俊一詩集『ヴィットリア・コロンナのための素描』

No.020 詩の力を信じるということ-新倉俊一詩集『ヴィットリア・・・

     ここしばらく自由詩の仕事から離れている。二十代から三十代にかけては詩のことばかり考えていた。ほとんど詩に取り憑かれた詩狂いだった。自信過剰に聞こえるかもしれないが、今なら詩作品も詩論も書こう […]
No.019 恐らく正直な句集なのだろう-曾根毅句集『花修』

No.019 恐らく正直な句集なのだろう-曾根毅句集『花修』

     なんとバランスの悪い句集だろう。それが曾根毅の『花修』を最初に読んだ時の率直な感想だった。しかしそれは二十一世紀初頭という難しい時代を生きる俳人の、正直な表現なのではないかとも思う。 &nb […]
No.041 『グラウンドの空』 あさのあつこ著

No.041 『グラウンドの空』 あさのあつこ著

     あの『バッテリー』シリーズを読んだら、他の作品も読みたくなるだろう。もちろん『バッテリー』に描かれていたのは、本などあまり読みそうにない少年たちで、またその作品のレベルからして本を読み慣れて […]
No.002 かくも不吉な欲望-遠藤徹『姉飼』を読む

No.002 かくも不吉な欲望-遠藤徹『姉飼』を読む

     『姉飼』は遠藤徹氏のデビュー作で、平成十五年(二〇〇三年)に第十回日本ホラー小説大賞を受賞した。選考委員の荒俣宏氏は「私はこの作品が「毒」であるのか「純情」であるのか、最後まで判断できなかっ […]
No.041 『雪だるまの雪子ちゃん』 江國香織著

No.041 『雪だるまの雪子ちゃん』 江國香織著

     雪子ちゃんは野生の雪だるまである。それからして、ある意味で虚をつかれる。野生のサルでもなく野生のリスでもなく、野生のイチゴですらない。野生の雪だるまである。いうまでもなく、雪だるまとは人が作 […]
No.040 『やっぱり見た目が9割』 竹内一郎著

No.040 『やっぱり見た目が9割』 竹内一郎著

     タイトルのインパクトについては、それが逆説に響くからだろう。本文中にもあるが、我々は、「見た目で判断するな」ということを小学校から刷り込まれている。民話にもボロを着た神さまを邪険にしてバチが […]
No.040 はてしない物語(岩波少年文庫版) ミヒャエル・エンデ著

No.040 はてしない物語(岩波少年文庫版) ミヒャエル・エンデ・・・

     実は、ミヒャエル・エンデという作家があまり好きではない。ならば取り上げなければよいようなものだが、現代において、わりかし重要な作家ではないか、とは思う。頭でそうは思っても、いまひとつ評価を高 […]
No.039 こまった人 養老孟司著

No.039 こまった人 養老孟司著

     時代の移り変わりというものは、必ずしも「いまどきの若いもん」によって表象されるわけではないと思う。むしろ「いまどきの年寄り」によって差異がより明確化しやすい、ということはないか。若いもんがい […]
No.002 『天才児のための論理思考入門』 三浦俊彦著

No.002 『天才児のための論理思考入門』 三浦俊彦著

     三浦先生の新著である。といっても、かつてのTBSテレビドラマ『エジソンの母』を三浦先生が監修され、そのサイトの質問コーナーにおける回答集がもとになっている。すなわち『論理パラドクス』がネタと […]
No.039 ファーブルの昆虫記 ファーブル著 大岡信訳

No.039 ファーブルの昆虫記 ファーブル著 大岡信訳

     虫である。当然のことながら、虫の絵や写真があちこちにある。あまり嬉しいものではない。実際、誰もが知っている名著でありながら、皆が皆、読んだ記憶があるというわけでもなさそうだ。特に女の子であっ […]
No.038 おさんぽ 江國香織著 イラスト・こみねゆら

No.038 おさんぽ 江國香織著 イラスト・こみねゆら

     レースのスカートを手に入れたおんなのこは、さんぽに出ます。さんぽは絵本の見返しから始まっていて、装飾の文様が道行きを示すという、絵のあるテキストの愉しみの本質がいきなり示される。こみねゆらの […]
No.037 カエルの王さま-あるいは鉄のハインリヒ 江國香織著 イラスト・宇野亜喜良

No.037 カエルの王さま-あるいは鉄のハインリヒ 江國香織著 ・・・

     「カエルの王さま」は教訓や意図のわかりにくい話だ。それゆえ江國好みといえる。だが江國香織の多くの童話と同様に、ナンセンスというわけではない。江國香織のような強い観念ー逆説として示されるとして […]
No.036 『宇野亞喜良クロニクル』-宇野亞喜良イラストレーション&デザイン作品集-

No.036 『宇野亞喜良クロニクル』-宇野亞喜良イラストレーショ・・・

     文学金魚で宇野亞喜良さんのインタビューが掲載されていて、宇野さんの演劇好きが相当なものであり、僕が漠然と考えていたよりも遙かに多くの舞台美術を手がけておられることを知った。宇野さんのインタビ […]
No.035 あかるい箱 江國香織著 イラスト・宇野亞喜良

No.035 あかるい箱 江國香織著 イラスト・宇野亞喜良

     部屋、とりわけマンションの部屋は箱に似ている。と言うより、箱そのものだと感じるときがある。そして箱というと、そこからはみ出したくなる者とそこに籠もって充実したい者との二通りがあるように思う。 […]
No.034 まあるいごはん こぐれひでこ著

No.034 まあるいごはん こぐれひでこ著

     料理の絵本である。写真でなくてイラストであることで、今ひとつはっきりしないところがあって、それがかえってよい。このように出来上がらなくてはならない、という強迫感が薄いのだ。そもそも自分で食べ […]
Copy Protected by Chetan's WP-Copyprotect.