総合文学ウェブ情報誌 文学金魚

私達の故郷は日本語です。金魚屋プレス日本版は、日本語で書かれるあらゆる文学の方向を見極め、私達の精神の行く末を照らす光りを見出そうとするものです。 金魚屋プレス日本版はその光りのすべてを広義の文学と呼びます。

金魚屋プレス日本版代表 齋藤都

Ongaku & Bungaku by Kingyo
No.001 Ongaku & Bungaku by Kingyo-歌詞と詩歌

No.001 Ongaku & Bungaku by Kingyo・・・

  詩はかつて歌の言葉だった。歌は詩だった。歌詠みとは短詩人のことだ。一方で、音はそれだけで喜びを与えるに足る。言葉はいらない、という感動を与えるものほど優れた絵画であり、音楽だ。このときの「いらない言葉」とは […]
No.027 ビョーク『Gling-Glo』

No.027 ビョーク『Gling-Glo』

     亡くなった父は患っている間、応接間のソファによく横になっていた。そこが一番広くて明るく、大きなテレビがあったからだ。絵を描くとき以外、テレビはたいてい点いていたが、いつも興味深く観ていたわけ […]
No.026 カーペンターズと赤いスポーツカー

No.026 カーペンターズと赤いスポーツカー

     僕の通っていた小学校は木造二階建てで、もちろん冷房などなく、冬は教室の真ん中に石炭ストーブがドンと据えてあった。冬になると石炭当番といって、生徒二人が組になって、雪が降っていても学校裏の石炭 […]
No.025 踊れない散文の跳躍――サカナクション『新宝島』

No.025 踊れない散文の跳躍――サカナクション『新宝島』

     サカナクションの新作『新宝島』は、実写映画版『バクマン。』の主題歌であり、漫画家を目指す高校生コンビの物語は歌詞のモチーフにも取り入れられている。タイトル「新宝島」も手塚治虫の『新宝島』から […]
No.024 宇多田ヒカル 『Addicted To You』

No.024 宇多田ヒカル 『Addicted To You』

     宇多田ヒカルの声を聴かないと眠れない、ような気がする晩がある。では昔からの大ファンか、というと、別にそういうわけでもない。なに、行きずりの者でございますという感じで、何かの弾みにフラッシュバ […]
No.023 君の輪郭に水平線を憶えるとき-前野健太『興味があるの』

No.023 君の輪郭に水平線を憶えるとき-前野健太『興味があるの・・・

前野健太 『興味があるの』        それは切なさの極まりだ。   「君のお父さんか、君の子供にでもなったみたい」    その感情は髪を撫でていているときに、ほっぺに […]
No.022 サイモン&ガーファンクル 『アメリカ』

No.022 サイモン&ガーファンクル 『アメリカ』

サイモン&ガーファンクル 『アメリカ』 作詞・作曲 ポール・サイモン        サイモンとガーファンクルの音楽を初めて聞いたのは映画館だった。マイク・ニコルズ監督の映画『卒業』を見に行っ […]
No.021 アナと雪の女王

No.021 アナと雪の女王

『Let it Go~ありのままで~』作詞・作曲 クリスティン・アンダーソン=ロペス 日本語歌詞・高橋知伽江        空前のヒットである。電車の中や路上で、これを唄う女子高生が見受けら […]
No.020 『鉄腕アトム』 谷川俊太郎

No.020 『鉄腕アトム』 谷川俊太郎

『鉄腕アトム』 谷川俊太郎   「いつか王子様が」のようなジャズのスタンダードとして世界に普及したら、超かっこいい。谷川賢作氏のアレンジを聞くと、そう思う。それは戦後日本のカルチャー、さらには日本という国の成熟 […]
No.019 ザ・バンド 『オールド・ディキシー・ダウン』

No.019 ザ・バンド 『オールド・ディキシー・ダウン』

     僕が子供だった頃にはMTVもインターネットもなかった。YouTubeで気軽にミュージシャンの演奏を見ることも、音楽をダウンロードすることもできなかったわけである。今と比べればなんて不自由な時 […]
No.018 『エンジェル・ウィズ・ア・ラリアット』 k.d.ラング&ザ・リクラインズ

No.018 『エンジェル・ウィズ・ア・ラリアット』 k.d.ラン・・・

『エンジェル・ウィズ・ア・ラリアット』 k.d.ラング&ザ・リクラインズ   k.d.ラングはカナダの歌手で、勲章ももらった模様。貫禄がついて、見た目も迫力があるようになってしまったが、このアルバムの頃は、とて […]
No.017 レディー・ガガ 『バッド・ロマンス』

No.017 レディー・ガガ 『バッド・ロマンス』

     芸能人がデビューする時には破竹の勢いを感じさせることが多い。Lady GAGAのデビューもそうだった。アーチストは数年間に渡って自分のスタイルを磨き続けるわけだが、そんなことは知らないリスナ […]
No.016 『インビジブル・ウォー』 ジュリア・フォーダム

No.016 『インビジブル・ウォー』 ジュリア・フォーダム

『インビジブル・ウォー』 ジュリア・フォーダム   まあ、カタカナで書くと間抜けだけれど、ジュリア・フォーダムという不思議な声の歌手がいて、昔はよく聞いて結構、癒されたような記憶がある。母性的というと嫌らしくて […]
No.015 Perfume『ポリリズム』(作詞・作曲・プロデュース 中田ヤスタカ)

No.015 Perfume『ポリリズム』(作詞・作曲・プロデュー・・・

     数年前になるがPerfumeの曲をよく聞いていた。いまでもまだちょっとそんな感じが残っているが、Perfumeの三人は田舎から出てきた女の子ですという雰囲気を漂わせていて、好感が持てたのだ。 […]
No.014 卒業 - 尾崎豊

No.014 卒業 - 尾崎豊

  尾崎豊はすでに「純文学」であるらしい。それはいわゆる純文学作品よりも純文学らしさを身にまとっている、という意味で「純文学」なのだ。では誰が、あるいは何がそうしたのか。   生前、彼はカリスマだった […]
No.013 空の見えかた-『16』 by andymoriと 『風を集めて』 by はっぴいえんど

No.013 空の見えかた-『16』 by andymoriと 『・・・

  2013年、00年代バンドの代表格の一つであったandymoriが解散を発表した。5枚目のアルバム発売直前だった。2008年のレコードデビュー後、年一枚のペースを落とすことなく駆け抜けた。しかし9月のラスト […]
No.012 赤いスイートピー - 松本隆 (歌・松田聖子)

No.012 赤いスイートピー - 松本隆 (歌・松田聖子)

  詩を書く者として歌詞のレビューをしているわけだが、仕込みなしだと懐メロになりがちだ。まあ無理をしても、情報の鮮度は若い人にかなわない。振り返りおよび必要となる総括をしていこう。NHK 朝の連ドラ「あまちゃん […]
No.011 清志郎の愉楽-『サン・トワ・マミー』

No.011 清志郎の愉楽-『サン・トワ・マミー』

  2009年5月9日、六本木ヒルズで打ち合わせを終えタクシーで外苑東通りから青山通りに抜けようとしていた時、青山葬儀場の前に大勢の人が集まっているのが見えた。なんだろうと思って車外に視線をやると、『忌野清志郎 […]
No.010 左右と上下- Mr.Children

No.010 左右と上下- Mr.Children

  どんなものでもいいから「詩的」と思えるものを題材として発表しなさい、というのが、私の授業でのずっと変わらない課題だ。これをしないと単位はあげない。「詩」と思えるもの、とは言わないのは「これ、詩ですか」という […]
No.009 ビートルズのダブル・ファンタジー

No.009 ビートルズのダブル・ファンタジー

  先日、七十一歳になったポール・マッカートニーが来日して公演を行ったが、子供の頃、人並みにビートルズをよく聴いていた。ビートルズはとっくに解散していたが、まだまだその強い余韻が残っていた。音楽雑誌を開くと必ず […]
No.008 DiVaが教えてくれた

No.008 DiVaが教えてくれた

  もうずいぶん長い間、言葉の世界で生きている。僕にとって世界は煎じ詰めれば言葉である。もちろん人間だから、現実世界に満ちている音や匂いや味や手触りは知っている。しかし本当の意味で僕が僕でいられるのは言葉の世界 […]
No.007 うたがうまれる/DiVa—詩の受声、うたの脱体

No.007 うたがうまれる/DiVa—詩の受声、うたの脱体

  詩を詠う(歌う、唱う、謡う、唄う…)というような表現があるが、「詩をうたう」ということを知るには、本作を聞くのがいい。   まず異質な感じを覚えるだろう。それからは曲ごとに様々な印象に変わる。ある […]
No.006 DiVa/解剖楽―言葉を楽しむ音

No.006 DiVa/解剖楽―言葉を楽しむ音

   谷川賢作が率いるDiVaというバンドについて考えるとき、賢作の父である谷川俊太郎の存在に触れることは避けられない。日本一有名、と言っても異論の出ないほどの詩人を父に持つことには、当然ながら様々な面倒がつき […]
No.005 DiVa/あるいは独りぼっちの音楽

No.005 DiVa/あるいは独りぼっちの音楽

  音楽、とりわけヴォーカル曲が嫌いなのではないか、と思う瞬間がある。ひどく漠然とした言い方だし、「人、とりわけ男が嫌い」などというのと変わらない。好きな人もいれば嫌いな人もいるに決まっている。ただ世の中には自 […]
No.004 より添うことばの条件-『春に』by泉まくら

No.004 より添うことばの条件-『春に』by泉まくら

  今回は、福岡在住の女の子ラッパーもとい「ラップをしちゃうふつうの女の子」泉まくらのデビューアルバムから一曲を取り上げる。彼女については、謳い文句の通り、ふつうの女の子のふつうの生活から染み出てくるような〈ふ […]
No.003 ご当地の歌 ー ブルーライト・ヨコハマほか

No.003 ご当地の歌 ー ブルーライト・ヨコハマほか

  【『ブルーライトヨコハマ』 (goo音楽より)】   子供の頃、いわゆる歌謡曲というのは、なぜ一律にラヴソングなのかと不思議に思っていた。ラヴソングと言うより、男と女の歌とでも呼ぶべき脂じみた埃っ […]
No.002 無時間の川、わたしの不在-『宿はなし』byくるり

No.002 無時間の川、わたしの不在-『宿はなし』byくるり

  【『宿はなし』 by くるり 歌詞(goo音楽より)】   くるりというバンドを一言にまとめろと言われれば、私なら「特別じゃない欲望を歌う共振のバンド」と表現する。わりと陳腐な言い回しだがしかたが […]
Copy Protected by Chetan's WP-Copyprotect.