総合文学ウェブ情報誌 文学金魚

私達の故郷は日本語です。金魚屋プレス日本版は、日本語で書かれるあらゆる文学の方向を見極め、私達の精神の行く末を照らす光りを見出そうとするものです。 金魚屋プレス日本版はその光りのすべてを広義の文学と呼びます。

金魚屋プレス日本版代表 齋藤都

『声前一句』の眼
No.001 『声前一句』の眼

No.001 『声前一句』の眼

安井浩司墨書展の公式図録には、文学金魚の編集による詳細な年譜が掲載されているが、もともとこれは「未定」第70号の安井浩司特集に掲載された自筆年譜を土台にしている。そのなかの平成2年(1990年)・54歳の項に、「「未定」 […]
No.010 『声前一句』の眼

No.010 『声前一句』の眼

  さよならをいつまで露の頭蓋骨   耕衣   『聲前一句』は安井浩司が、所属する同人誌「琴座(りらざ)」に35回に亘って連載した、古今35人の俳人一句を論じた小論だが、その最後で取り上げたのは「琴座 […]
No.009 『声前一句』の眼

No.009 『声前一句』の眼

  月明の 冬の 砂塵の 行方かな     高柳重信   『聲前一句』に収録された35篇の散文をその形態から眺めてみると、一見して俳句の世界で言うところの「評釈」であると見える。大方の文学作品がそうで […]
No.008 『声前一句』の眼

No.008 『声前一句』の眼

  男根の意識 たちまち驢馬の啼き狂ひ   富澤赤黄男   富澤赤黄男と安井浩司。この二人には共通するイメージがある。「孤高」というイメージである。そして「孤高」とは限られた少数の尊称ゆえ、「孤高」同 […]
No.007 『声前一句』の眼

No.007 『声前一句』の眼

  霧の村石を投うらば父母散らん   金子兜太   『聲前一句』に登場する35人の俳人のうち、現代俳句における「前衛」として括り得るのは18人である。そのなかには、西東三鬼・高屋窓秋・山口誓子といった […]
No.006 『声前一句』の眼

No.006 『声前一句』の眼

  くるしくて はるかのはな は ひらくかな   野田 誠   太平洋戦争を挟む戦前戦後にかけて吹き荒れた俳句革新の風は、結果として「伝統対前衛」という俳句史にとって都合のいい対立構造によって図式化さ […]
No.005 『声前一句』の眼

No.005 『声前一句』の眼

  くわらくわらと 藁人形は 煮られけり   寺田澄史(きよし)   生前の大岡頌司から、寺田澄史が手先の器用な皮職人であると聞いたことがあった。洋の東西を問わず、古くより皮は生活道具の素材として加工 […]
No.004 『声前一句』の眼

No.004 『声前一句』の眼

  のざらしを鮒来てかこむ星座跡     志摩聰   冒頭で安井は、自身にとっての最大の屈辱として、西東三鬼の処女句集『旗』と志摩聰の第五句集『黄體説(こうたいせつ)』を、高柳重信から借りてノートに写 […]
No.003 『声前一句』の眼

No.003 『声前一句』の眼

  顔せに髑髏の跡や蕎麦を打つ   大原テルカズ   安井浩司「俳句と書」展の図録に掲載された年譜に、大原テルカズとの交流を記した項が二箇所出てくる。安井が二十三歳のときの「千葉市にて俳句同人誌『黒』 […]
No.002 『声前一句』の眼

No.002 『声前一句』の眼

  紅(くれない)や水の記憶に山椒の木     河原枇杷男   「河原枇杷男は想い出を安売りする俳人ではない。」という断定の一行で、安井は河原枇杷男についての掌論を書き起こす。この断言の背後には、「安 […]
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