総合文学ウェブ情報誌 文学金魚

私達の故郷は日本語です。金魚屋プレス日本版は、日本語で書かれるあらゆる文学の方向を見極め、私達の精神の行く末を照らす光りを見出そうとするものです。 金魚屋プレス日本版はその光りのすべてを広義の文学と呼びます。

金魚屋プレス日本版代表 齋藤都

安井浩司墨書展
No.018 『安井浩司墨書展』関連コンテンツ終了

No.018 『安井浩司墨書展』関連コンテンツ終了

     金魚屋では二〇一二年十月に『安井浩司「俳句と書」展』を開催し、公式図録兼書籍刊行と同時に文学金魚で安井浩司論を掲載してきた。というより文学金魚にコーナーを作ってもらい、僕の気が済むまで安井論 […]
No.020 自筆原稿『空なる芭蕉(一)』

No.020 自筆原稿『空なる芭蕉(一)』

     自筆原稿『空なる芭蕉(一)』は断簡である。全部で何冊あったのかは現時点ではわかない。記載された総句数は一〇二五句で、そのうち一九二句(約十九パーセント)が句集『山毛欅林と創造』と『空なる芭蕉 […]
No.019 自筆原稿『句篇』その④―『句篇(四)-巨霊-』

No.019 自筆原稿『句篇』その④―『句篇(四)-巨霊-』

     自筆原稿『句篇(四)-巨霊-』に記載された総句数は八六四句で、そのうち二〇一句(約二十三パーセント)が句集『句篇』と『山毛欅林と創造』に収録された。破棄された句は六六三句(七十七パーセント) […]
No.018 自筆原稿『句篇』その③―『句篇(三)-交響の秋-』

No.018 自筆原稿『句篇』その③―『句篇(三)-交響の秋-』

     自筆原稿『句篇(三)-交響の秋-』に記載された総句数は八三七句で、そのうち三二〇句(約三十八パーセント)が句集『句篇』と『山毛欅林と創造』に収録された。破棄された句は五一三句(六十二パーセン […]
No.017 自筆原稿『句篇』その②―『句篇(二)-待機と蓮-』

No.017 自筆原稿『句篇』その②―『句篇(二)-待機と蓮-』

     自筆原稿『句篇(二)-待機と蓮-』に記載された総句数は八七〇句で、そのうち三〇二句(約三十五パーセント)が句集『句篇』と『山毛欅林と創造』に収録された。破棄された句は五六八句(六十五パーセン […]
No.016 自筆原稿『句篇』その①―『句篇(一)-夏への旅-』

No.016 自筆原稿『句篇』その①―『句篇(一)-夏への旅-』

     唐門会さん所蔵作品を整理していて、さらに未発表句を大量に含む安井氏の原稿を見つけた。自筆原稿『句篇』(一)~(四)と『空なる芭蕉』(一)の五冊である。資料の整理に時間がかかってしまったが、今 […]
No.020 『花野わが棒ひと振りの鬼割らる』

No.020 『花野わが棒ひと振りの鬼割らる』

花野わが棒ひと振りの鬼割らる   安井さんの処女句集『青年経』には『渚で鳴る巻貝有機質は死して』、『遠い空家に灰満つ必死に交む貝』、『雁よ死ぬ段畑で妹は縄使う』といった、安井文学を代表する作品が含まれている。し […]
No.019 『蓼をゆく秘密身ならヴァイオリン』

No.019 『蓼をゆく秘密身ならヴァイオリン』

蓼をゆく秘密身ならヴァイオリン   『蓼をゆく』は安井さんの第五句集『密母集』に収録されている。安井さんの句集の中で僕が最も好きな作品集かもしれない。もちろん最初からこの句集の良さがわかっていたわけではない。連 […]
No.018 『鶸湧くや異木ふたつの十文字』

No.018 『鶸湧くや異木ふたつの十文字』

鶸湧くや異木ふたつの十文字   この句もまた難解である。意味的に読み解き難いだけでなく、修辞的にも極めて高度な作品である。いわゆる前衛俳句には難解作品が多い。しかしここまで複雑な作品は少ないだろう。今回安井さん […]
No.017 『万緑や総身も輪の積み上げぞ』

No.017 『万緑や総身も輪の積み上げぞ』

万緑や総身も輪の積み上げぞ   『安井浩司「俳句と書」展』公式図録兼書籍をパラパラと眺めていると、安井さんはつくづく一筋縄ではいかない作家だなぁと感じてしまうことがある。巻頭の方に『安井浩司自選一三〇句』が掲載 […]
No.016 『稲の世を巨人は三歩で踏み越える』

No.016 『稲の世を巨人は三歩で踏み越える』

稲の世を巨人は三歩で踏み越える   この句を読むと、最近までフランシスコ・デ・ゴヤ作だとされてきた『巨人』を思い出してしまう。ゴヤ研究の権威・プラド美術館によって、二〇〇九年にゴヤの弟子のアセンシオ・フリア作だ […]
No.020 『琴座』 安井浩司特集

No.020 『琴座』 安井浩司特集

最後に『琴座』を取り上げたい。『琴座』は永田耕衣主宰の同人誌で、安井は昭和三十四年(一九五九年)に同人となり、耕衣の死去により平成九年(九七年)に終刊になるまで在籍した。安井が師と仰いだ俳人は耕衣ただ一人である。耕衣と高 […]
No.019 『Unicorn』 その四 (第4号)

No.019 『Unicorn』 その四 (第4号)

結果として『Unicorn』は第四号で終刊したが、誌面を見ている限りその気配は全くない。第四号後記には新たに天王寺谷精三、青木啓泰、水島洋一の三人が同人参加したと記載されている。編集・発行人の門田は『今四号の校正刷を前に […]
No.018 『Unicorn』 その三 (第3号)

No.018 『Unicorn』 その三 (第3号)

ロラン・バルトは確か、『前衛とはなにが死んだのかを知っていることです。後衛とは死んだものを愛していることです』と言った。前衛と後衛を巡る人間心理としては正しいと思う。ただそれを作品に即して判断するのは難しい。特に詩歌の世 […]
No.017 『Unicorn』 その二 (第2号)

No.017 『Unicorn』 その二 (第2号)

『Unicorn』は創刊当初から、俳句以外の芸術成果を検討することを編集方針にしている。創刊号では当時出版されたばかりの岡井隆の歌集『眼底紀行』を巡って、前田希代志構成による安井浩司、松林尚志、酒井弘司の誌上座談会が掲載 […]
No.016 『Unicorn』 その一 (第1号)

No.016 『Unicorn』 その一 (第1号)

『Unicorn』(ユニコーン)は昭和四十三年(一九六八年)から四十五年(七〇年)にかけて、わずか四冊のみ刊行された俳句同人誌である。しかしその俳句・文学史的な価値は高い。第二次世界大戦後に花開いたいわゆる〝戦後文学〟は […]
No.010 『声前一句』の眼

No.010 『声前一句』の眼

  さよならをいつまで露の頭蓋骨   耕衣   『聲前一句』は安井浩司が、所属する同人誌「琴座(りらざ)」に35回に亘って連載した、古今35人の俳人一句を論じた小論だが、その最後で取り上げたのは「琴座 […]
No.009 『声前一句』の眼

No.009 『声前一句』の眼

  月明の 冬の 砂塵の 行方かな     高柳重信   『聲前一句』に収録された35篇の散文をその形態から眺めてみると、一見して俳句の世界で言うところの「評釈」であると見える。大方の文学作品がそうで […]
No.008 『声前一句』の眼

No.008 『声前一句』の眼

  男根の意識 たちまち驢馬の啼き狂ひ   富澤赤黄男   富澤赤黄男と安井浩司。この二人には共通するイメージがある。「孤高」というイメージである。そして「孤高」とは限られた少数の尊称ゆえ、「孤高」同 […]
No.007 『声前一句』の眼

No.007 『声前一句』の眼

  霧の村石を投うらば父母散らん   金子兜太   『聲前一句』に登場する35人の俳人のうち、現代俳句における「前衛」として括り得るのは18人である。そのなかには、西東三鬼・高屋窓秋・山口誓子といった […]
No.006 『声前一句』の眼

No.006 『声前一句』の眼

  くるしくて はるかのはな は ひらくかな   野田 誠   太平洋戦争を挟む戦前戦後にかけて吹き荒れた俳句革新の風は、結果として「伝統対前衛」という俳句史にとって都合のいい対立構造によって図式化さ […]
N0.015 『砂』(後半)

N0.015 『砂』(後半)

No.7で『青年経』特集が組まれて以降、安井氏(以下敬称略)はさっそく第二句集『赤内楽』の創作に取りかかっている。No.8からNo.14に発表された安井の俳句は73句。そのうち約50パーセントの36句が『赤内楽』に収録さ […]
No.015 未刊句集篇⑧其角抄

No.015 未刊句集篇⑧其角抄

『未刊句集篇』に入れることにしたが、今回紹介する『其角抄』は400字詰め原稿用紙5枚弱のエセーである。どこかの雑誌に発表されているかもしれないが、安井氏(以下敬称略)の既刊評論集『もどき招魂』(昭和49年[1974年]) […]
No.015 『虻高し山は海から来るものを/からし菜の花を天地は過ぎ去りぬ』

No.015 『虻高し山は海から来るものを/からし菜の花を天地は過・・・

   虻高し山は海から来るものを    からし菜の花を天地は過ぎ去りぬ   『虻高し』は安井さんの第10句集『汝と我』(昭和63年[1988年])に収録された句で、『からし菜の』は第12句集『四大にあらず』(平 […]
No.005 『声前一句』の眼

No.005 『声前一句』の眼

  くわらくわらと 藁人形は 煮られけり   寺田澄史(きよし)   生前の大岡頌司から、寺田澄史が手先の器用な皮職人であると聞いたことがあった。洋の東西を問わず、古くより皮は生活道具の素材として加工 […]
N0.014 『砂』(前半)

N0.014 『砂』(前半)

『砂』はガリ版刷りA5版(No.11のみ活版印刷)で、安井浩司、高橋彦一郎、前田希代志、高桑廣緒、柴田三木男氏(以下敬称略)によって創刊された。昭和37年(1962年)から40年(65年)にかけて通巻14号が刊行されてい […]
No.014 未刊句集篇⑦幼年や抄 他

No.014 未刊句集篇⑦幼年や抄 他

唐門会からお借りした安井氏(以下敬称略)未刊句集も少なくなってきた。前回取り上げた『集成 天蓋森林』が最後の〝大物〟原稿で、残っているのはいわば拾遺である。そこで今回と次回でそれらを簡単に紹介して『未刊句集篇』を終わらせ […]
No.014 『月光や漂う宇宙母あおむけに/天類や海に帰れば月日貝』

No.014 『月光や漂う宇宙母あおむけに/天類や海に帰れば月日貝・・・

    月光や漂う宇宙母(ぼ)あおむけに   天類や海に帰れば月日貝   『安井浩司『俳句と書』展』の墨書句は、安井さんの処女句集『青年経』から最新句集『空なる芭蕉』までのセレクトだが、各句集から均等 […]
N0.013 『黒』

N0.013 『黒』

『黒』はガリ版刷りA5版の雑誌で、安井氏(以下敬称略)からお借りしたのは第3、5、6、8~12号の8冊である。ただし安井が参加(秋地一郎名義)したのは第12号からで、400字詰め原稿用紙20枚ほどの評論と作品を発表してい […]
No.013 未刊句集篇⑥『天蓋森林』

No.013 未刊句集篇⑥『天蓋森林』

唐門会所蔵の安井浩司未刊句集原稿の中で、そのままでも1冊の句集として刊行可能な量と質を持つ作品は3つある。原(ウル)『阿父学』(昭和49年[1974年]・安井氏[以下敬称略]38歳)の『涅槃学』(No.009 未刊句集篇 […]
No.013 『漆山まれに降りくるわれならん/藤の実に少しみえたるけさの我』

No.013 『漆山まれに降りくるわれならん/藤の実に少しみえたる・・・

  漆山まれに降りくるわれならん   藤の実に少しみえたるけさの我   安井さんは墨書展用に書き下ろした作品について、『軸にすることで完結した世界、それ自体、自立した世界となるような作品って、あるんだなぁと実感 […]
No.004 『声前一句』の眼

No.004 『声前一句』の眼

  のざらしを鮒来てかこむ星座跡     志摩聰   冒頭で安井は、自身にとっての最大の屈辱として、西東三鬼の処女句集『旗』と志摩聰の第五句集『黄體説(こうたいせつ)』を、高柳重信から借りてノートに写 […]
N0.012 『群蜂』

N0.012 『群蜂』

安井浩司参加初期同人誌を読んでいると、秋田から大学進学のために上京した安井氏(以下敬称略)が、多くの刺激を受けて作家として成長していく姿が浮かび上がってくる。上京直後の昭和29年(1954年)から30年(55年、18・1 […]
No.012 未刊句集篇⑤さるとりいばら抄/春衣抄/姉歯抄

No.012 未刊句集篇⑤さるとりいばら抄/春衣抄/姉歯抄

唐門会所蔵作品で、安井浩司氏(以下敬称略)の第7句集『霊果』(昭和57年[1982年]・46歳)の原型になったと思われる未刊句集は3冊ある。『さるとりいばら抄』『春衣抄』『姉歯抄』である。このうち『さるとりいばら抄』と『 […]
No.012 『きみゆけば遠く空なる芭蕉かも』

No.012 『きみゆけば遠く空なる芭蕉かも』

  きみゆけば遠く空なる芭蕉かも   岡野隆さんの連載『唐門会所蔵作品』を読んでいたら、『きみゆけば遠く空なる芭蕉かも』の初稿が『驢馬行けば遠く空(くう)なる芭蕉かも』だということに気づいた(『No. […]
No.003 『声前一句』の眼

No.003 『声前一句』の眼

  顔せに髑髏の跡や蕎麦を打つ   大原テルカズ   安井浩司「俳句と書」展の図録に掲載された年譜に、大原テルカズとの交流を記した項が二箇所出てくる。安井が二十三歳のときの「千葉市にて俳句同人誌『黒』 […]
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