大野露井さんの『故郷-エル・ポアル-』注(第04回)をアップしましたぁ。大野さんの自伝的小説『故郷-エル・ポアル-』の注の連載です。自注はなかなか大変な書き物ですね。作品との距離が取りにくい。
作家にとって一番難しいというよりほぼ不可能なのは、自分の作品を客観的に評価することです。他人の作品には的確な評価を下せても、自作はまったく別なんですね。小林秀雄は優れた批評家でしたが、創作はぜんぜんダメでした。創作を見切って批評家の道を進んだのは小林さんの優秀さの証明かもしれませんが、自作と他者作品批評の間に大きな乖離があったのは事実です。
作家はもちろん自分の作品に自信を持っていなければなりません。しかし過信は禁物です。常に自分の能力や作品を疑いながら、方向性を模索してゆく必要がある。たいていの作家は今書いている作品が今までで一番優れていると思っています。つまり書けば書くほど過去が更新されてゆく。溜め込んで〝いい作品なんだけどなぁ〟と思っているのが一番マズイ状態だと言えるかもしれません。
■ 大野露井『故郷-エル・ポアル-』注(第04回)縦書版 ■
■ 大野露井『故郷-エル・ポアル-』注(第04回)横書版 ■
■ 第05回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項 ■
第05回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項です。詳細は以下のイラストをクリックしてご確認ください。
■ 予測できない天災に備えておきませうね ■