岡野隆さんの『詩誌時評・句誌』『No.070 山口誓子、高柳重信の編集後記(月刊俳句界 2016年11月号)』をアップしましたぁ。特集『蘇る名文!俳人たちの編集後記』から山口誓子と高柳重信の編集後記を取り上げておられます。俳句に限らず前衛作家には晩年的重みがないのが常で、重信もなんとなく若々しい作家という印象があります。でも実際は十分山口誓子の時代に交わっていますし、若い頃に新興俳句の洗礼も受けています。

 

 結社誌は本質的に主宰のものなのだ。誓子は「天狼」は自分の「俳句精神」の表現の場であり、それを受け継ぐ者たちの雑誌だと明快に述べている。また誓子は自己の俳句精神は、自分の人生の終わりをもってひとまずの区切りとなると認識していたようだ。(中略)俳句界に新風を起こしたいのなら、自らの結社誌を新たに作れば良いということか。

 言いにくいことだが、俳句の世界で肉体労働に近い形であくせく働いているのは結社誌の主宰とその編集部員くらいのものだ。(中略)年に一、二冊の雑誌を出したくらいで大それた仕事をしたような気になっている俳人がとても多い。ただそんな悠久の時を生きていたのでは、いつまでたっても仕事はまとまらない。いわゆる文学的進歩も望めない。寄贈された句集ですら人はなかなか読んでくれないのだ。ましてや同人誌をやである。

(岡野隆)

 

金魚屋では俳句に関する原理論を掲載していますが、もちろん理論的考察と現実の俳句界は別です。現実に存在する俳壇で力を得ようとすれば、基本は結社的集団を作って自分たちの主張を浸透させるしかないでしょうね。

 

〝俳壇〟という現実を見れば理想論だけでは通用しないのは明かです。文学の世界に限りませんが、話し合いや討論は強い者同士でしかできない。誰も言いませんが、弱者は排除されるのが常です。もちろん実践と理論で強者になる道もありますし、結社でそれを為す道もあります。しかし前者は茨の道です。なんらかの形で後者の方法を活かす必要があるでしょうね。

 

 

岡野隆 『詩誌時評・句誌』『No.070 山口誓子、高柳重信の編集後記(月刊俳句界 2016年11月号)』 ■

 

 

第05金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項

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