原作・小原眞紀子、作・露津まりいさんの連載サスペンス小説『お菓子な殺意』(第10回)をアップしました。第5章『マーブル状の悲劇(後半)』です。スリリングな回になっておおります。犯罪的行為は計画して実行する場合と、はずみというか、偶発的に起こる場合があります。いずれの場合でも、激しい葛藤が起こるのは事件を起こした後でしょうね。

 

 荷下ろしと機材の組み立ては着々と進んでいた。平穏な作業を見守るうち、昨日からのすべてが撮影作業の一環のように思えた。

 が、黒装束に着替えた四人のスタッフが岩場の崖上に置かれた柩に手をかける。一瞬だけのその撮影シーンに、彩子の意識は薄れた。

 視界に海辺が真っ暗に反転し、柩だけが浮かび上がる。ほのかな光の筋に包まれた塊。

 なぜだ。なぜ何も起きない。

 クレーンがやってきた。オレンジに塗られた鋼鉄製のジブ部分にカメラを設置し、二○分のテストを行う。永遠にも思える長さだった。

 潮風も光も書き割りなのだ、と彩子は考えた。

 自分は存在していない。さもなければ、耐えられなかった。

(原作・小原眞紀子、作・露津まりい『お菓子な殺意』)

 

もちろん本当のサスペンスはここから始まるのであります。クレーンに吊り下げられた棺がそれを暗示していますね。緊張の走る糸はいずれ切れなければならないのですぅ。

 

 

原作・小原眞紀子 作・露津まりい 連載サスペンス小説『お菓子な殺意』(第10回) (縦書)版 ■

 

原作・小原眞紀子 作・露津まりい 連載サスペンス小説『お菓子な殺意』(第10回) (横書)版 ■

 

 

第05金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項

第0回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項です。詳細は以下のイラストをクリックしてご確認ください。

 

■ 予測できない天災に備えておきませうね ■