純文学エンターテイメント作家、遠藤徹さんの連載小説『ゆめのかよひじ』(第15回)をアップしましたぁ。『ひるやすみ(後編)』です。主人公の女の子は夢の世界に行き、現実と理想の間を行ったり来たりします。ただ『ゆめのかよひじ』は夢によって現実が変わってしまうファンタジーではありません。夢=理想を指針として、主人公が内面を強く育ててゆく小説です。

 

 きりかぶのひろばには、たしかにへびになったやみたちがひそんでいました。でも、あたしはきにしません。ひょこひょこあそんで、ほいほいたのしんで、アトラスオオカブトなんか、なんのことなくかんたんにつかまえて、あらかじめよういしてあったむしかごにいれてしまいました。おおきなきりかぶでひるねしていたときに、やみへびにかまれましたが、ぎゃくにやみへびがひめいをあげました。だって、てつでできたてぶくろをつけていたからです。ゆめのなかでしかてにはいらない、とくちゅうひんです。やみになんかくわれてたまるものですか!

(遠藤徹『ゆめのかよひじ』)

 

闇は誰の心の中にもあり、それを追い払うことも取り除くこともできません。またたいていの場合、闇は光との対比によって闇となるのであり、最初から黒々とした悪ではないのです。その闇は現実世界ではちょっとした人間の悪意にまで広がっていますが、夢の世界が突き抜けるような明るい世界だとは言えません。『ゆめのかよひじ』は主人公が心の中の光を指針に、現実でも夢の世界でも闇の中を彷徨う物語なのでありますぅ。

 

 

遠藤徹 連載小説 『ゆめのかよひじ』(第15回) 縦書版 ■

 

遠藤徹 連載小説 『ゆめのかよひじ』(第15回) 横書版 ■

 

 

第05金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項

第0回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項です。詳細は以下のイラストをクリックしてご確認ください。

 

■ 予測できない天災に備えておきませうね ■