原作・小原眞紀子、作・露津まりいさんの連載サスペンス小説『お菓子な殺意』(第09回)をアップしました。第5章『マーブル状の悲劇(前半)』です。カオルさんの身に大変なことが起こってしまひました。主人公の彩子さん、パニックです。

 

 「あたしね、本当はファンって大嫌い」

 昨日の夕飯時、彼女はそんなことを言い出した。夕飯だけは何を食べてもいいから、上機嫌といってよかった。

 「だって怖いんだもん。あたしのこと、しゃぶりつくそうとしてるんじゃないかな」

 皮肉っぽく唇を歪め、「あたしは何も食えないってのに」と呟きながら、彩子の皿のメンチカツに箸を伸ばした。「なのに、連中がいなけりゃ、どうしようもないときてる」

 彩子はふいに、何も起こらなかった気がしてきた。

 そう、二人一緒にここへ帰ってきたのだ。

 飽きっぽい彼女が今、このワインの栓を自分にくれたのだ、と思った。バッグを開け、それを仕舞った。

(原作・小原眞紀子 作・露津まりい 『お菓子な殺意』)

 

こういった記述はいいですねぇ。リアリティがあり、何か物語の本質に突き当たっている気配があります。小説に限りませんが、文学ではある決定的な記述が作品の本質だとは限りません。ほんのささやかな記述にその作品の核があったりします。これはそういった箇所ですね。

 

 

原作・小原眞紀子 作・露津まりい 連載サスペンス小説『お菓子な殺意』(第09回) (縦書)版 ■

 

原作・小原眞紀子 作・露津まりい 連載サスペンス小説『お菓子な殺意』(第09回) (横書)版 ■

 

 

第05金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項

第0回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項です。詳細は以下のイラストをクリックしてご確認ください。

 

■ 予測できない天災に備えておきませうね ■