岡野隆さんの詩誌時評『No.057 月刊俳句界 2016年03月号』をアップしましたぁ。久保田万太郎さんの俳句を取り上げておられます。岡野さんは万太郎について『〝粋〟なのである。浅草雷門の足袋屋の息子として経済観念はしっかりしていたが、金や地位に対しては本質的に恬淡としていた。万太郎に「なぜ先生は大先生なんですか?」と聞いたら、「お前らが大先生だと言うから、大先生でいてやるんだ」と答えるかもしれない』と書いておられます。今ではいなくなった大先生の一人ですね。

 

歴史上の作家に対しては、特に若い頃はその力を軽視してしまふことが多いです。『万太郎?たいしたことないね』といふ感じです。でも実際に目の前に座っていれば、批判を胸に秘めていても相当な苦戦を強いられます。圧倒的力を持っていなければ文学史に名前が残ったりしないのです。もちろん生きている作家に会ってもこういったことは起こります。年長の詩人に面座して圧倒されて、腰巾着のようなご機嫌取りに走る詩人は掃いて捨てるほどいます。詩の世界、評価が曖昧ですから、中堅くらいになると寄らば大樹の陰が現世的利益につながるとわかっちゃったりするんだなぁ(爆)。

 

竹馬やいろはにほへとちりぢりに

神田川祭の中をながれけり

あきかぜのふきぬけゆくや人の中

湯豆腐やいのちのはてのうすあかり

鮟鱇もわが身の業(ごふ)も煮ゆるかな

久保田万太郎

 

岡野さんは『湯豆腐や』の句について、『湯豆腐は当然のことながら白い。雪と寒さにつながるわけで、その温かさにも孤独の影はある。湯豆腐でなければならず、生の礼賛である明るい世界ではなく、そこに見えるのは「いのちのはてのうすあかり」でなければならない。よほどの日本通でない限り、外国人にはなかなか理解しにくい句だろう』と批評しておられます。じっくりお楽しみください。

 

 

岡野隆 詩誌時評 『No.057 月刊俳句界 2016年03月号』 ■

 

 

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