原作・小原眞紀子、作・露津まりいさんの連載サスペンス小説『お菓子な殺意』(第04回)をアップしました。第2章『塀から落っこちた卵の始末を(後編)』です。スターのカオルさん、大暴れの巻です。

 

 「もう帰るってば。こんな楽屋じゃ、やってられない」

 楽屋に入るなり、カオルは怒鳴り散らした。(中略)

 「とにかく、部屋を替えてよ」(中略)

 カオルは癇癪を起こし、椅子に掛かっていたラメ付きのショールを引き裂いた。

 「主催者と交渉します」と、彩子は楽屋を飛び出した。

 代理店の担当者を連れて戻ってくると、カオルは大人しくテーブルの前に坐っていた。(中略)

 「あの、部屋割りのことで何か」(中略)

 「そりゃOKでしょ。いいお部屋じゃないの」

 「はい。一番いい部屋を用意させていただきました」(中略)

 担当者は彩子の顔に視線を走らせ、慇懃な物言いで「次は後半部の二番目ですか。ではよろしく」と言い捨てた。

 「見て、これ。舞台衣装なのにひっかけちゃって」と、カオルはショールをひらひらさせた。

 彩子はソーイングセットを捜し出すと、残り六分で縫い繕った。

(原作・小原眞紀子 作・露津まりい『お菓子な殺意』)

 

芸能界に限らず、大スターさんは我が儘な方が時々いらっしゃるようです。単に勘違いしている場合や、まあ言ってみれば鈍感さによって我が儘になっているのなら、小説のネタとしては弱い。極度に繊細な感受性を持っている人が我が儘になることだってある。つまりそこに理由があれば十分使えるわけです。カオルさんの場合はどっちなんでしょうね。小原眞紀子・露津まりいコンビの作品ですから、ここにも何か仕掛けがあると想像されますぅ。

 

 

原作・小原眞紀子 作・露津まりい 連載サスペンス小説『お菓子な殺意』(第04回) (縦書)版 ■

 

原作・小原眞紀子 作・露津まりい 連載サスペンス小説『お菓子な殺意』(第04回) (横書)版 ■

 

 

第04金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項

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