岡野隆さんの詩誌時評『No.035 月刊俳句界 2016年01月号』をアップしましたぁ。『大特集 蛇笏と龍太』を取り上げておられます。言うまでもなく山梨の誇る俳人・飯田蛇笏と龍太親子です。蛇笏は虚子門で初期は『ホトトギス』で活躍しましたが、主宰誌『雲母』を創刊しました。岡野さんは『蛇笏が「ホトトギス」の俳人というより、大正七年(一九一七年)創刊の主宰誌「雲母」の俳人として記憶されているのは、虚子的有季定型俳句と蛇笏のそれが、質的に決定的に違う面を持っているからだろう』と書いておられます。

 

芋の露連山影を正しうす

をりとりてはらりとおもきすすきかな

たまきはるいのちをうたうにふゆごもり

山深く生きながらふる月の秋

誰彼もあらず一天自尊の秋

飯田蛇笏

 

かたつむり甲斐も信濃も雨のなか

白梅のあと紅梅の深空あり

葱抜くや春の不思議な夢のあと

短日やこころ澄まねば山澄まず

去るものは去りまた充ちて秋の空

飯田龍太

 

岡野さんは『蛇笏に比べると龍太の俳句は淡い。(中略)蛇笏の籠りの精神が、その重さを抜き取られて希薄に偏在しているようなのだ。この龍太俳句の希薄さは、そこに至り着こうとして、様々な要因で最後まで作品から強い自我意識を消し去れなかった蛇笏の理想でもあったように思う。「去るものは去りまた充ちて秋の空」では何が去り、何が充ちているのだろうか。具体物はなんでも良いのだ。(中略)空虚な充実とでも呼ぶべき空間が拡がっている。それはなんと俳句芸術によく似た光景だろう』と批評しておられます。じっくりお楽しみください。

 

 

岡野隆 詩誌時評 『No.035 月刊俳句界 2016年01月号』 ■

 

 

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