寅間心閑さんの『寅間心閑の肴的音楽評』『No.009 勘所』をアップしましたぁ。今回はちあきなおみ、ザ・バンド、ザ・ハイヴスが酒の肴です。寅間さんは現在文学金魚で小説『証拠物件』を連載中ですが、正直なことを言えば、この小説のアクセス数が石川の予想を大きく超えて高いんですね。なぜかしらねぇと考えると、もしかすると寅間さんが酒好きで音楽好きだといふことと関係あるんぢゃないかと思えてきました。どんなジャンルでもそうですが、名人はまず〝好きこそものの上手なれ〟から始まるんですね。

 

人間ってだんだん変わってゆくようでその地の部分は変わらない。だいたい20代くらいでその生地は形作られます。それは肉体に根ざした〝快楽原理〟だと言ってもいいでしょうね。この快楽原理は肉体的愉楽から観念的欲望を含みます。オシャレやおいしい料理が好きな人は、どんどんそうなっていきます。ただ40代50代になると、どうしてもその生地が透けて見えるようになります。純粋にそれが好きなのか、本当はブランド服を着て有名人が通う店で食事をする俺・私が好きなだけなのか、わかってしまうんです。前者は一人でも幸せですが、後者は本心では俺が私がの権威指向の人たちが集まる気持ちの悪い集団になっちゃうのが常です。

 

エッセイを読んでいると、寅間さんはホントにお酒と音楽が好きですね。それが伝わってくる。加えて小説を中心とした文筆作業に魅了されていると思います。書かないと生きている気がしないというのが作家の本来的な姿です。寅間さんの小説の書き方はオーソドックスですが、いわば快楽原理に裏付けられた愉楽が読者に届いているのだと思います。こういった作家は時間がかかってもなんとかなると思います。

 

文学金魚を含め文学メディアの新人賞は、書くことに魅了された、しぶとく打たれ強い作家を見出す作業だと思います。もちろん有名になりたいとかお金が欲しいとかいう欲望は、人間誰しも持っています。ただデビュー作で一躍スターになって、そのまま死ぬまでスターでいられる作家などいません。必ず挫折を経験する。それをクリアする力は作家の快楽原理です。書かなきゃ生きている気がしないという原理的欲望が挫折の意味を考えさせ、それをクリアするための思考を生みます。自分の意志で仕事を作り出せる作家がいずれ文筆業が仕事になるのだと言ってもいいです。

 

 

寅間心閑 『寅間心閑の肴的音楽評』『No.009 勘所』 ■

 

 

第04金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項

第04回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項です。詳細は以下のイラストをクリックしてご確認ください。

第04回募集要項_cover_01

 

■ 予測できない天災に備えておきませうね ■