山際恭子さんのTVドラマ批評『No.142 営業部長 吉良奈津子』をアップしましたぁ。フジテレビさんで放送されていたドラマです。松嶋菜々子さん主演で松田龍平、DAIGO、岡田義徳、中村アン、足立梨花、板尾創路、松原知恵子、石丸幹二、原田泰造さんらが出演しておられました。脚本は井上由美子さんです。

 

山際さんのレジュメを引用すると、『自信たっぷりのクリエイティブ・ディレクターだったキャリアウーマンが育休をとり、このような場合に一般的に考えられるありとあらゆるトラブルに遭遇しながら、経験のない営業部長職として職場復帰する。その営業部には種々の難題があり、女主人公は自信を失いながらもその仕事に意義を見い出し、成長してゆくという物語』です。ただ山際さんは、この物語に『いったいリアリティがあるんだろうか』と書いておられます。

 

山際さんは『職場の仲間を守り、彼らもまた家族のように主人公を思い、という最終回での光景に、誰がリアリティを感じるのか。(中略)仕事を介した付き合いは、無条件の友情を生まない。誰もが自分の事情や家庭を抱えているのであり、同僚であっても互いの労力コストを取り引きし合う関係だからだ。だからこそ相手のことが骨の髄まで見通せもする』と批評しておられます。石川も同感だなぁ。

 

友達関係であってもマジの仕事を一緒にすると、その人の社会性を含めた人間性や能力が手に取るようにわかってしまうところがあります。〝いい人〟であろうと無能であればその人への信頼は失われる。それを乗り越えてまでその人を擁護してくれるのは親兄弟だけだろうなぁ。基本、他人の集まりである職場ではそれは起こり得ないと言っていいです。

 

ドラマには〝他人を信頼する〟という、人間存在にとって不可欠なヒューマニズムを描く役割もあります。しかしそれを描くのに、ぬるい職場を舞台にするのは不適当です。もし職場を舞台にするなら『半沢直樹』のように、仕事がもたらす徹底した残酷な現実を描いた上で、人間が発揮するわずかなヒューマニズムを明らかにしなければリアリティを得られないと思います。

 

 

山際恭子 TVドラマ批評 『No.142 営業部長 吉良奈津子』 ■

 

 

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