寅間心閑さんの『寅間心閑の肴的音楽評』『No.008 音の輪郭』をアップしましたぁ。今回はクレイジーキャッツ、ソニック・ユース、アート・ガーファンクルが文字通り〝酒の肴〟です。東京を知っている人も知らない人にとっても、町の風景が浮かんでくるようなエッセイです。

 

 交通手段は徒歩。足を使うのが一番。電車やバスだと流れが途切れちゃう。ひどい時にはリセットだ。だから徒歩。自分の歩幅で行きましょう。

 別に風流な人間じゃないが、景色がいいに越したことはない。例えば浅草橋。両国から隅田川を渡ってくるのがいい。国技館、スカイツリーに屋形船。主役を張れる大物が揃ってる。お目当ての店は四時半開店。その前に蕎麦を入れとこう。(中略)

 さあ、四時半。行かないと。目当ての店は「N」。やきとん、の四文字が店名に付く。入ってすぐが立ち呑みカウンター、奥がテーブル。私は専ら立ち専門。まずは大瓶。開店後まもなくは、まだ店員さんが準備の途中。そのバタバタ感がいい。雑然としたカウンター周りもいい。雑多に並ぶ各種調味料もいい。いや、何より味がいい。

(寅間心閑『音の輪郭』)

 

『好きこそものの上手なれ』という諺があります。酒飲みエッセイについても然り。本当に酒が好きで、飲む時も譲れない快楽原理を抱えている人なら、エッセイに自ずとそれが出るものです。ブンガクシャの俺が、私がカッコ良く見えるために酒を飲んでいるエッセイなど下の下です。自分でもどうしようもない愉楽の波に呑まれながら、それをどこか醒めた目で観察して、魅力あるエッセイにするのが物書きのプロというものです。

 

寅間さんの酒飲み音楽エッセイ、いいですねぇ。東京の一番ゴミゴミとした飲み屋街を、鼻歌歌いながらさまよう作家の姿が浮かんできます。文学金魚は純文学系メディアということもあって青白系のインテリさんが著者に多いですが、寅間さんは別格だなぁ。酒で火照った身体で小説を書きまくる作家、アリです。近年ますます希少になってきましたからなおさら貴種です(爆)。

 

 

寅間心閑 『寅間心閑の肴的音楽評』『No.008 音の輪郭』 ■

 

 

第04金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項

第04回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項です。詳細は以下のイラストをクリックしてご確認ください。

第04回募集要項_cover_01

 

■ 予測できない天災に備えておきませうね ■