田山了一さんのTVドラマ批評『No.134 侠飯〜おとこめし〜』をアップしましたぁ。テレビ東京さんで、金曜日深夜0時12分から放送されているドラマです。田山さんのレジュメでは、『テレビ東京の十八番、B級グルメ情報番組である。今回は設定がちょっと凝っていて、ダメ男な大学生がヤクザの抗争に巻き込まれ、彼をかばった任侠の一人を自分の部屋に匿うはめになる。その弟分に、しゃべったら殺すと脅され、仕方なく同居生活を続けるうち、清潔で栄養豊かな暮らしを強いられる、というストーリーだ』といふことになります。文学金魚ではテレビドラマ評をけっこう掲載していますがテレビ東京さんが多いですねぇ。レビューの数から言っても、フジテレビさんが苦戦しておられることがよくわかります。

 

田山さんは、『任侠というのは、後ろ暗いものである。(中略)大学生に、「いいヤクザなんているものか」と兄キは答える。しかしたとえば日テレのゴールデンに流すのに、実質的な主人公は少なくともいいヤクザでなくてはなるまい。それを欺瞞だと感じる正気があるなら、その企画は中止するしかないのだ。任侠は陽のあたるところへは出られない。それは掟だ。承知で引き受ける覚悟がなければ、手を出すべきではない。このドラマはコメディだけれど、任侠の後ろ暗さをおちゃらかして無視しようとしてはいない。だから観るに耐える。この認識ゆえに、この路線はテレビ東京の独壇場になるわけである』と批評しておられます。

 

ヒューマニズムであれ社会道徳であれ、創作者がそのギリギリのところを突こうとするのは当たり前のことです。同じ落とし所ばかり繰り返していては、それこそ〝ドラマ〟にならない。しかし日テレやフジテレビ、TBSなどはおっそろしく風当たりが強いようです。抗議が殺到するとドラマの内容を変え、謝罪しなければならない不文律が出来上がっているやうな。

 

脚本家を始めとする創作者の皆さんは歯がゆいでしょうが、この傾向はそう簡単に変えられるものではない。目立つものをよってたかって批判する風潮もまた、現代社会の特徴だからです。これはこれで、現状の精神風土を逆手に取って新しい作品を創ってゆくしかありません。また一方で、どうしても表現したい事柄があるのなら発表の舞台を変えればいい。メディアは無限にあるわけではないですが、一昔前よりも格段に増えています。

 

また社会全体が多様化の方向に進めば、その反動として〝みんなで〟盛り上がれるコンテンツへの欲求が高まるのも自然なことです。ただこれからの社会が多様化の方向に進んでゆくのは確かでしょうな。みんなで楽しめるコンテンツは宝くじに当選したみたいな、そのつど一度限りの打ち上げ花火で、当たった理由は当事者でもよくわからないということが多くなると思います。ベースは多様化の社会で着実に実績を上げること。テレビ東京さんのコンテンツはまさにそれだろうと思います。

 

 

田山了一 TVドラマ批評 『No.134 侠飯〜おとこめし〜』 ■

 

 

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