山際恭子さんのTVドラマ批評『No.131 そして、誰もいなくなった』をアップしましたぁ。日本テレビさんで毎週日曜日夜10時半から放送されているサスペンスドラマです。主演は藤原竜也さんで玉山鉄二、二階堂ふみ、伊野尾彗、鶴見辰吾、黒木瞳、ミムラさんらが出演しておられます。脚本は『アンフェア』シリーズを手がけた秦建日子さんです。

 

山際さんは、『主人公は、マイナンバーに相当するような ID を失い、その ID を持った同姓同名の人物にアイデンティティそのものを奪われ、存在しない存在として追い詰められていく、というストーリーなのだが、すでにマイナンバーが交付されている現在、その設定が切迫感を持たない。アメリカの社会保障番号と同じなので、万一、番号が重なっていたところで、だからなんだというのか』と批評しておられます。アイデンティティの喪失がテーマのサスペンスドラマなのですが、その原因が外的なものに設定されているので、いまひとつ切迫感がなひんでせうね。

 

超管理社会で何者かの操作によってIDを失ふといふのはSFではよくあるストーリーです。それを説得力あるものにするためには、息苦しいほどのシステム世界の描写が不可欠です。映像でそれをやろうとすると、どーしても近未来を舞台にせざるを得ない。でも『そして、誰もいなくなった』は現代社会が舞台なんだな。主人公は『ミス・イレイズ』といふ情報消去システムの開発者ですが、それが必要とされるほど現代社会は管理化が進んでいない。

 

またアイデンティティ喪失モノは、最後のところ、外的要因ではなく、内的要因によってアイデンティティを失い、それを回復しなければなりません。SF的設定であろうと、そういった古典性がないと、最後のところ読者や視聴者に訴えかけてくることがない。『そして、誰もいなくなった』はこれからどう展開するんでせうね。楽しみであります。

 

 

山際恭子 TVドラマ批評 『No.131 そして、誰もいなくなった』 ■

 

 

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