山本俊則さんの美術展時評『No.053 生誕150年 黒田清輝 日本近代絵画の巨匠 (前編)』をアップしましたぁ。教科書などでおなじみの名画、『湖畔』で有名な黒田清輝の大回顧展のレビューです。意外なことに今回が黒田没後初めての大規模回顧展になるやうです。黒田は明治初期に渡欧して本場ヨーロッパで絵を学び、帰国してからは画家としてはもちろん、貴族院議員などの立場からも日本の美術界に多大な貢献をした人です。

 

 黒田清輝で思い浮かぶのは、なんといっても『湖畔』である。僕らが子供の頃には『湖畔』が十五円切手になっていて、綺麗な女性が描かれているのはもちろん、当時としては大判の切手だったのでとても人気があった。この『湖畔』のモデルになった女性は黒田の妻となった金子種子である。子供の頃は、明治時代にこんな現代的美人がいたのかどうか半信半疑で、黒田はちょっと脚色して理想の女性を描いたんじゃないかと思っていた。しかし黒田が描いたデッサンや写真を見ても種子さんは大変な美人である。それを知ってから、いつの時代にも美人はいるんだなぁと妙なことに感心してしまった。

 ちなみに映画『ALWAYS 三丁目の夕日』を見た時、これは僕の子供時代に重なる昭和三十年代のお話だから、映画に出演されていた小雪さんを見て、この時代にこんなスタイルのいい女性はいなかったぜ、と思った。しかしその後、戦前の浅草レビューの写真集を入手して、戦前すでに小雪さん的スタイルの女性はいたと確信した。戦前の東京松竹の大スターは水の江瀧子さんである。彼女もスラリと背が高かった。お年を召してからの水の江さんはタレントとして活躍されたが、長く映画界のフィクサー的存在でもあった。若き日の加賀まりこさんが主演した傑作映画『月曜日のユカ』に、確か原案・水の江瀧子というクレジットがあったと思う。表裏社会に通じた懐の広い女性だったようだ。

(山本俊則)

 

今回のコンテンツの冒頭ですが、山本さんとしては軽めのノリですね。ただ彼の美術批評は正確ですから、黒田といえばなぜ『湖畔』なのかといった素朴な感想が解き明かされてゆきます。後篇は明日掲載します。

 

 

山本俊則 美術展時評『No.053 生誕150黒田清輝 日本近代絵画の巨匠 (前編)』 ■

 

 

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