小松剛生さんの連載ショートショート小説『僕が詩人になれない108の理由あるいは僕が東京ヤクルトスワローズファンになったわけ』『第018回 ま、ま、ま/24番目の潜水士/ラムレーズンより愛を込めて』をアップしましたぁ。今回は小松さんのご尽力で、〝くぢらもち〟さんに特別にイラストを描いていただきました。くぢらもちさんに深謝です。

 

 せかいじゅうのどらいやーか。

 はい。

 隣の潜水士はうなずいて、満足げにウェットスーツの袖をぽりぽりと掻いてみせる。

 彼はうなだれた。

 伝わることより伝わらないことのほうが多いことを水の中で理解する。

 だいいち、水の中でいちばん必要のないアイテムがドライヤーなのではないだろうか。なぜ隣の潜水士はそれを比喩に使ったのだろうか。もっと良い選択肢があったような気がする。

 でも、ひとつなんとなくわかったような気もする。

 世界中のドライヤー売り場では、自分のようにそこに飛び込むことを迷っている潜水士がいる可能性について思う。

 20人以上の人々がたくさんのドライヤーに列をなしている。

 戻ることもできず、その売り場の華麗さを理解できるとも思えないのに、行かなければならない。

 つまるところ、世界中にはなんて多くの24人目の潜水士と25人目の潜水士が存在するのだろうか。

 その果てしなさに彼は目まいすら覚える。

(小松剛生『24番目の潜水士』)

 

あいかわらず完成度の高いショートショート小説です。もちろん読者の数だけ小説の好みはあって、こういったタイプの小説を壮大な無駄話と捉える方もいらっしゃると思います。でも小説は言語芸術です。誰もが理解できるテーマが作品に見当たらなくても、心地良い文体だけで読ませてしまう小説があってもいい。またそのような作品の方が、書くのが難しいことだってあるのです。

 

小松さんの連載は『僕が詩人になれない108の理由』とタイトルされています。漠然と読むと、すごく詩的な小説に読めるかもしれません。だけどそれは逆だな。こういった一見、詩的な小説は、生粋の小説家独自のものです。矛盾して聞こえると思いますが、生粋の小説家にしか書けない詩的な小説なのです。ある時期に本気で詩に入れ込んだことのある小説家は、あきれるほどグロテスクな小説で詩を表現したりするものです。もちろんどちらがいいといった問題ではありません。詩や詩的に関する小説家の解釈がはっきりしていれば、それでいいのです。

 

 

小松剛生 連載ショートショート小説 『僕が詩人になれない108の理由あるいは僕が東京ヤクルトスワローズファンになったわけ』『第018ま、ま、ま/24番目の潜水士/ラムレーズンより愛を込めて』 pdf ■

 

小松剛生 連載ショートショート小説 『僕が詩人になれない108の理由あるいは僕が東京ヤクルトスワローズファンになったわけ』『第018ま、ま、ま/24番目の潜水士/ラムレーズンより愛を込めて』 テキスト ■

 

 

Web文芸誌のパイオニア 文学金魚大学校セミナー開催(新人支援プロジェクト)

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Web文芸誌のパイオニア 総合文学ウェブ情報誌文学金魚は、文学金魚執筆者によるシンポジウムと参加者の自由な質疑応答による参加型セミナーを開催します!。

テーマは〝ジャンルの越境〟です。そしてジャンルの越境は、人の現存在では性の越境にも置き換わる。文学金魚大学校第1回セミナーでは、早稲田文学の表紙を飾った伝説の仙田学さんの美しい女装姿が見られます!  あらゆる制度の脱構築を意識することで、ジャンルの越境は初めて可能になるのです。我こそはという皆さまも、ぜひ女装・男装・コスプレのドレスアップでご来場ください。 超ステキな開催会場、日仏芸術文化協会もそれって大歓迎!とのこと!

 

■ 日時と会場 ■

日時:2016年06月18日(土曜日)

開始時間:午後03時30分~

会場:日仏芸術文化協会 (東京都目黒区中根2-19-2 東急東横線・都立大学駅より徒歩約10分)

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* 閑静な住宅街の中に位置する素敵な一軒家です。

参加費3,500円

* 参加者の皆さんには金魚屋刊行書籍一冊(定価1,500円)をプレゼントします。

懇親会費(オプション)2,000円

* セミナー修了後に懇親会を開催します。参加はご自由です。

 

テーマ ■

【テーマ】ジャンルの越境

純文学ラノベ、ロマンチック・ミステリ、純文学ホラー、自由な物語詩など、従来の文学ジャンルとは異なるオルタナティヴな文学を創り出すことを目指します。

【司会】

山田隆道(作家・TVコメンテーター)・小原眞紀子(詩人・東海大学文学部文芸創作学科非常勤講師)

 

プログラム(予定)■

シンポジウム

第一部 偏態小説と純文学エンタメ小説について

三浦俊彦(作家・東京大学大学院教授)

遠藤徹(作家・同志社大学教授)

第二部 ラノベと(純)文学について

仙田学(作家)

西紀貫之(作家・フリーライター)

リード小説大賞決定!

山田隆道(作家・TVコメンテーター)発案のリード小説(詳細は下記または『第一回『文学金魚大学校セミナー』開催記念インタビュー リード小説の意義について』参照)の大賞を決定し、大賞・奨励作については文学金魚への作品掲載を検討(バックアップ)します。

第3回金魚屋新人賞第一次審査通過作紹介

懇親会

いけのり(占い師・エッセイスト)の占いコーナーなど。

 

参加お申込用メールアドレス ■

お申込みはseminar@gold-fish-press.comへ! 。氏名・電話番号、パーティ(懇親会)参加の有無を明記してください。先着50名(FB枠35名)です。会場設営の都合上、懇親会のキャンセルは3日前までに上記メールでご連絡ください。

 

Web文芸誌のパイオニア 文学金魚大学校セミナー(新人支援プロジェクト)の趣旨

・才能ある若い作家の作品が発表できない、キャリアのある作家なのに一番出したい本にかぎって出ない、学者の卵の奨学金ですら返還義務があるなど、現在ではさまざまなジャンルが細分化され、文化間の交流がなくなっています。

・こんな時代だからこそ、文学金魚は創作者と読者、ジャンルとジャンルを繋ぐメディアとして誕生しました。

・セミナー参加者は新しい文学と出版カルチャー誕生の当事者・目撃者になれるかも!

・読むことと書くことの、あのワクワク感をみんなで取り戻そう!

 

【リード小説とは ~あなたの〝リード小説〟大募集!~】

・リード小説とは、あなたがすでに書いた、あるいはこれから書こうとしている未発表オリジナル小説の大筋やセールスポイント等をまとめた、映画でいえば、予告編です。

・文学金魚大学校第01回セミナーのお題として、書き下ろしリード小説をツイッター上で大募集します。完成原稿があるかどうかは問いません。

・選考は山田隆道(『第一回『文学金魚大学校セミナー』開催記念インタビュー リード小説の意義について』参照)が行います。講師の文学金魚連載作家陣も選考に加わります。リード小説から作家デビューの扉が開かれるかも。

・試されているのは自己プロデュース能力です。気楽に楽しんでください!

 

【総合文学ウェブ情報誌文学金魚について】

・文学金魚はジャンルの垣根を取り払い、文化融合的な状況の中から新たな日本文化を創・出することを目指します。

・セミナー参加者は楽しいお題で盛り上がるもよし、懇親会で人脈を広げるもよし。新たな文学シーン誕生のワクワクする瞬間、その当事者・目撃者になれるかもしれません。

・今は積極的に自己アピールし、様々な方法で作家としての活路を切り開いてゆける時代です。ネットと紙出版のインタラクティブな関係性にリアルな人間の息吹きを吹き込んで、文学カルチャーのホットスポットを創り出そう!

 

 

■ 予測できない天災に備えておきませうね ■