日本が誇る世界的特殊作家、三浦俊彦さんの連載小説『偏態パズル』(第83回)をアップしましたぁ。おろち道の達人、深筋忠征VS桑田康介さんの続編です。名将は名将を知ると言いますが、桑田さんのベストテン・リストを見ただけで、深筋師匠はその力を見抜くのであります。

 

 このような感性深部からの「質的納得」こそが、おろち学諸分野を窮めるための必要条件となるのであってみれば。

 (悔やまれる……ズリネタ的正直にパッキングしてさえいればかくも綺麗な対応が整いはせずかくも小僧の素質に動揺せずに済んだものを……せめて洋モノを壱枚、ケイト・ブッシュかメレディス・モンクでも投入していたら……いやいっそのこと懐かしきカーペンターズを正直に壱枚入れておったら……生涯封印覚悟であのあたりをここに登録していたら……)

 いずれにせよ(ううむ……小僧……)

 この深筋忠征の桑田康介への脱帽ぶりは、まさに――

 印南哲治が袖村ビジュアル体質と蔦崎クワサレ体質に愕然としたおろち史大蠢動の――

 ささやかな予兆であったと言いうるかもしれない。

(三浦俊彦『偏態パズル』)

 

『感性深部からの「質的納得」こそが、おろち学諸分野を窮めるための必要条件となる』という言葉は深いですなぁ(爆)。『偏態パズル』に登場するのはおろち愛好者たちであり、その言動を金妙塾が学術的に解明してゆくわけですが、おろち愛好者の言動が論理的であっても、それが感性深部から発していなければ〝本物〟とは言えないのであります。こりは文学作品全般について指摘できるセオリーですな。秀作・傑作と呼ばれる作品は論理的な筋が通っていることが多いですが、読者の心理に最も訴えかける要素はその細部の感性的符号なのであります。

 

 

三浦俊彦 連載小説 『偏態パズル』(第83回) pdf版 ■

 

三浦俊彦 連載小説 『偏態パズル』(第83回) テキスト版 ■

 

 

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