田山了一さんのTVドラマ批評『No.104 危篤スルー』をアップしましたぁ。日本テレビさんで木曜日24:59分から放送されていたドラマです。主演は生瀬勝久さんです。田山さんは『佳作である。大きな病院の院長が危篤状態に陥る。(中略)院長ははっきり意識があるのだが、周囲にはそれがわからない。横たわる院長の前で展開される悲喜劇、というコンセプトだ』と書いておられます。石川も見ましたが秀作ドラマだと思いました。

 

ただドタバタドラマの筋書きとしては、ちょー斬新という内容ではありませんでした。昏睡状態の院長の前で隠されていた人間関係が露わになるのですが、それの内容は予想通りです。このドラマが秀逸だったのは、田山さんが書いておられるように、『コメディタッチとはいえ、死にかけた者の視点で長々と見せるというわけにいかないのだ。その視点で示されるのは結論であって、過程ではない』ことを制作者側がしっかり踏まえていることでしょうね。

 

もう終わってしまったドラマなのでラストを書くと、人間関係のドタバタはハッピーエンドでまとまり院長は死去します。『後口が爽やかなのは結局、院長が死んでしまうからだ。すべてを彼が見聞きしていた可能性が登場人物たちに示されると同時に、視聴者には逆に、これまでの院長のモノローグが空耳だったようにも思われるのだ』(田山さん)ということです。主人公を死なせるのは物語にとって最大の贅沢であり娯楽であるという鉄則が、ここでも活きていますね。

 

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田山了一 TVドラマ批評 『No.104 危篤スルー』 ■