高島秋穂さんの詩誌時評『No.010 角川短歌 2015年01月号』をアップしましたぁ。新春作品特集から尾崎左永子さん、福島泰樹さん、穂村弘さんの歌を取り上げておられます。いい歌が並んでいますねぇ。

 

一人子の逝きて一年音のなき冬の夜ふいに痛みは萌す     尾崎左永子

生も死もいづれ選ぶといふことの可能ならねば一日を愛す

いつか来ん巨大地震をどことなく待つ心あれど対応もせず

 

この歌について高島さんは、『諦念とも自暴自棄とも諦めとも言い切れない静かな時間が流れそれを泡立たせるような出来事を期待してもいるわけですが作家は特に何の用意もしていません。でも現実とはそういうものでしょうね。胸つぶれるような出来事は唐突に起こりにもかかわらずたいていの場合終わってしまえばかつてと同じような時間が流れるのです』と批評しておられます。

 

言葉の比喩の日溜りに居て游びしが花に嫌われ幾歳は経つ   福島泰樹

友愛を貫くための前衛といわん八月六日 一閃の虚無

皮は裂け実は弾け飛び散らかって七十一歳 柘榴坂ゆく

 

高島さんは『短歌界にも前衛短歌(現代短歌)の時代はありました。それは主にインテリたちによって主導され福島さんは常に異端の前衛モドキとして扱われていたように思います。しかしもしかすると一番強靱な根を持っていたのは福島さんの前衛短歌だったのかもしれません。・・・福島さんの短歌を年代順に読めば声の短歌がどのように成熟してゆくのかがわかると思います』と書いておられます。いずれも魅力的な短歌です。

 

 

高島秋穂 詩誌時評 『No.010 角川短歌 2015年01月号』 ■