純文学ホラー作家、遠藤徹さんの新連載小説『血みどろ博士』(第01回)をアップしましたぁ。今まで遠藤さんのキャッチフレーズは『世界(異界)を創造する作家』だったのですが、鶴山裕司さんに遠藤さんの小説について評論を書いていただき、その中に遠藤さんは商品としてのホラー小説を書く作家ではなく、純文学ホラー作家だという意味の記述があったので使わせてもらうことにしました。石川も『世界(異界)を創造する作家』より『純文学ホラー作家』の方がしっくり来るなぁ。語呂もいいし。遠藤さんの盟友・三浦俊彦さんのキャッチフレーズが『日本が誇る世界的特殊作家』ですから、やっぱ遠藤さんにもキャッチフレーズがなくっちゃね(爆)。

 

 血みどろ博士は、今日も血みどろだ。

 いや、今日もというのは正鵠を射ていない。いまも、あるいはいままさにというべきなのかもしれない。なにしろ、自分が血みどろだということにたったいま気づいたところなのだから。

 「なるほど、わたしは血みどろだ」

 血みどろ博士は鏡を見る。鏡に映る血みどろな自分を見る。(中略)

 「それにしても、なぜだ」

 と眉をひそめる。

 「そもそもどうしてわたしは血みどろなのだろう」

 合点がいかぬという風に血みどろの手で血みどろの顎をなでる。

 「血みどろ博士だから血みどろなのか、それとも血みどろだから血みどろ博士なのだろうか」

 

『血みどろ博士は、今日も血みどろだ』といふのは実に魅力的な書き出しです。このトートロジックな出だしに『血みどろ博士』の主題がこめられているようです。怖いんですがなんとなくユーモラスでもあります。じっくりお楽しみください。

 

 

遠藤徹 新連載小説 『血みどろ博士』(第01回) pdf版 ■

 

遠藤徹 新連載小説 『血みどろ博士』(第01回) テキスト版 ■