星隆弘さんの連載演劇批評『現代演劇の見(せ)かた』 『No.015 新宿梁山泊 第53回公演 芝居砦・満天星シェイクスピアシリーズ Vol.2 『ハムレット』』をアップしましたぁ。新宿梁山泊さんの公演『ハムレット』を取り上げておられます。新宿梁山泊は金守珍さん主宰の劇団です。梁山泊さんは唐十郎さんの戯曲と平行して、ハムレットを連続公演してゆかれるやうです。舞台美術は先日金魚屋でインタビューをアップした宇野亞喜良さんが担当しておられます。なお『ハムレット』の翻訳は小田島雄志さんです。

 

梁山泊版『ハムレット』はダイナミックな舞台になっていたやうです。星さんは「全体のスピード感は、観客をイリュージョンの最奥へと息もつかせず引き込んでいく。その力の極限は最終幕の演出にある。王、王妃、レアティーズ、ハムレットが毒を仕込んだ剣とワインによってばたばたと倒れていくと、舞台最奥の月の世界から降りてくるように、手燭を灯したオフィーリアが登場し、悲劇の死者たちを一人また一人と連れて行く。原作にはないこの演出によって、死した魂の行方を観客は目の当たりに幻視する」と書いておられます。

 

また宇野亞喜良さんの、ドクロ姿のモナリザの美術も効果的だったやうです。「観客席上手の壁面に飾られたドクロ姿のモナリザ。その空虚な眼窩が常に観客の横顔を睨む構造が本作の外延となっている。上演中、観客席上手後方を俳優が行き来するたび、俳優の劇的表象を見つめていた観客の目が、何度もモナリザの視線にかち合う」と星さんは批評しておられます。

 

『ハムレット』はいまさら『ハムレット』、やっぱり『ハムレット』とでも言うべき戯曲です。そのストーリー自体は多くの人がもう知っているといふ前提の上での舞台です。その意味で演出能力が問われます。金守珍さんの演出は、魅力的なものに仕上がっていたやうです。

 

 

星隆弘 連載演劇批評『現代演劇の見(せ)かた』 『No.015 新宿梁山泊 第53回公演 芝居砦・満天星シェイクスピアシリーズ Vol.2 『ハムレット』』 ■