高島秋穂さんの詩誌時評『No.007 角川短歌 2014年10月号』をアップしましたぁ。穏やかですがかなり厳しいことを書いておられます。「文学出版が元気だった頃から経済的に苦しい戦いを強いられて来た詩人たちはプライドが高く武士は食わねど高楊枝の姿勢を貫いているようですがそれはそれで素晴らしいことです。ただ業界内以外に読者がいないという現状は直視しなければなりません。詩人と詩人志望の人しか読者はいないのです」と高島さんは書いておられます。

 

短歌、俳句、自由詩の詩の世界が以前よりもさらに厳しい状態に置かれているのは確かだと思います。まあぶっちゃけた話し、短歌・俳句界は読者がおらず本が売れないという厳しい状況を結社組織によってなんとか乗り切り、それなりに良い時代を定期的に持ってきたわけです。しかし自由詩の業界は不肖・石川が見るところちょいと打つ手なしだなぁ。ヤバイよ、厳しいよといふ声さえ上がらないところが本当に危ないと思ひます。必死になって足掻くことすらせず、昨日と同じことを繰り返して衰退しつつある業界に見えるなぁ…。

 

高島さんは「詩壇は本質的に詩と呼ばれる文学ジャンルを底支えする共通認識パラダイムでなければならないわけです。この詩壇がある程度有効に機能しているのは歌壇でしょうね。短歌(和歌)は日本文学で最も古いジャンルであり保守的なイメージがあります。しかし実際は逆です。歌人たちはベテランから若手に至るまで世界の変化を必死に捉えようとしています」と歌壇の動きを高く評価しておられます。口語短歌が一般読書界にまで浸透しているとは言えませんが、業界全体の動きとして活路を見出そうとしているのは歌壇の口語短歌以外にないように思います。

 

高島さんはまた、「口語短歌は「口語-自由-短歌」だと捉えた方がわかりやすいかもしれません。あらゆる制約を棄却した「自由」な表現でありながらなおかつ「短歌」であろうとするところに現代短歌のアポリアがあるのです」と批評しておられます。前衛であり、かつ原理的であろうといふ姿勢ですね。そういった動きが歌壇から生まれているのはとても興味深いことでありますぅ。

 

 

高島秋穂 詩誌時評 『No.007 角川短歌 2014年10月号』 ■