小原眞紀子さんの連載小説『はいから平家』(第05回)をアップしましたぁ。ホテルの中華レストランで、み幸さんの親戚一同が集まって大宴会の巻であります。九州では温泉ホテルで宴会をしたら、風呂に入ってから帰るといふ風習があるやうです。ほんまかいな(爆)。『はいから平家』は純文学系の作品ですが、小原さんのサービス精神は旺盛だなぁ。どんな作品にも面白味がなければならないわけですが、小原作品のユーモアは独特です。

 

 「そるばってん、あたしたちのな、県民ホールに薔薇とラッパ水仙の花束と、贈りもんば持っていったつよ」

 あたしハンカチあげたもんねと、七歩子叔母も頷く。

 「あたしゃ体温計」

 なんで体温計、とみ幸は訊く。

 よか体温計だったからたい、と浴場中に響く声で笑子叔母は言う。

 「おっきな体温計ば、やったと。小さいと見えにくかでしょうが」

 

遠い親戚に当たるアメリカ人の指揮者が来日して演奏会を開いたときに、九州の叔母たちが楽屋まで押しかけて指揮者にプレゼントを渡したときのお話です。「あたしゃ体温計」「なんで体温計」「よか体温計だったからたい」といふ会話は、脱力系ですが、なんとなく聞き覚えがあるなぁ。正論のようなんだけど、やっぱなにかが決定的にズレています(爆)。そういった日常のズレやちょっとした狂気を描くのが小原さんはとっても上手いと思いますぅ。

 

 

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小原眞紀子 連載純文学小説 『はいから平家』(第05回) テキスト版 ■