金井純さんのBOOKレビュー『絵のある本のはなし』『No.033 The Book Of The Bath キャサリン・カナー著』をアップしましたぁ。キャサリン・カナーさん著の『The Book Of The Bath』、つまりお風呂の本です。版元のINAXさんはタイル、バス、トイレ用品のメーカーで、LIXIL出版(旧INAX出版)はその出版部門です。LIXIL出版っていい本を出しているんですよ。時事性はないですが、ちょいとマニアックで、こういふ本があればいいなと思うような出版物を出しておられます。不肖・石川の本棚にもINAX出版のブックレットが何冊かあります。類似本がないジャンルの出版物なので、大事に扱っておりまふ。

 

金井さんは『The Book Of The Bath』について、「文字通り “ お風呂の本 ” の傑作である。どのように傑作かというと、絵のある本としてのテキストとヴィジュアルの他に、手触りといった皮膚感覚が伝わってくるのだ。・・・眺めているだけで快楽のバスタイムそのものであるような本書だが、同時に実用書でもある。ハーブや重曹、シャンパンまでも用いた入浴剤のレシピの数々には魅惑的な名が付いていて、やはり試したくなる。そしてこれらの材料には、確かに時間は関わらない。太古の昔からミントはミントであり、薔薇の花びらは薔薇の花びらで重曹は重曹、シャンパンはシャンパンだと書いておられます。『The Book Of The Bath』の素晴らしさとともに、金井さんの快楽原理も伝わってくる批評ですね。

 

不肖・石川、人間の行動で一番長続きするのは快楽原理に基づいたものだと思います。ささやかかもしれませんが、快楽原理があれば繰り返し同じ行動を取ってしまふのです。こういった快楽原理は誰にでもあるものですが、もちろん人によって快楽の種類は違います。でも趣味が合わなくても、他人がそこに本当に快楽を感じていると理解できれば、幸福な気持ちで共感できる。優れたエセーはそういった快楽を伝えていることが多いものです。

 

ただまその反対に、文章を読んでいてこの人の快楽は底が浅いなぁと感じてしまふこともしばしばありまふ。骨董好きぢゃなくて権威好き(権威に弱い)、グルメやブランド好きぢゃなくて要は高級なレストランで食事してブランド物を身につける財力がある自分が好きとかいった場合ですね。物書きさんの場合、権威がものすごく好きで自分も権力者になりたいんだ、自分自身が好きでたまらないんだとストレートに書いてくれた方がまだ共感できますな(爆)。快楽は楽しさ、面白さでもあるわけで、自分自身の何かをさらけ出さなければそれを人に伝えることはできないのでありますぅ。

 

 

金井純 BOOKレビュー 『絵のある本のはなし』『No.033 The Book Of The Bath キャサリン・カナー著』 ■