小原眞紀子さんの『Ongaku & Bungaku by Kingyo』『No.021 アナと雪の女王』をアップしましたぁ。おっそろしいほどヒットした映画の主題歌で、日本語では松たか子さんが歌いました。『Let it Go~ありのままで~』については、ディズニーは主要な言語で吹き替えを行っていて、Youtubeなんかでそのダイジェストを聞くことができます。ちょい贔屓目かもしれませんが、松さんバージョンの『ありのままで』は英語を除く他言語版の中ではトップクラスのクオリティだと思いまふ。
んで『アナ雪』がなんでこんなにヒットしたのか、気になるところでありまふ。小原さんは『姉妹もの、というのはわりとどこにも属さない、宙に浮いたような領域かもしれない。結局、女のライフステージは男の子、もしくは男性との関わりによって類別されるのだ。姉妹という関係性はそこからはみ出る。・・・『アナと雪の女王』がレズビアン映画、などと呼ばれる理由も、そのあたりにあるのだろう。ここでのレズビアンとは、性的嗜好とは関係がない。ただ、男たちが女のライフステージに関与したり影響したりできないことへの非難の言葉に近い』と書いておられます。なるへそ~。『文学とセクシュアリティ』の著者らしひ批評でありまふ。
小原さんも書いておられますが、『ありのままで』の歌詞は、とりたてて論じるほどの内容ではなひと思います。ヒットはやはり姉妹モノであること(姉妹愛がテーマ)、それにミュージカルアニメであることが大きな要因のやうです。観客の中心は女性ですが、実写ならこれほどのヒットにならんかったでせうな。幅広い世代にアピールできたのは、女性たちが心の中に持っているイデアルな少女像が、アニメにピッタリだったからだと思います。このイデアルな少女像は男性との関係以前、あるいは以後の存在でありまふ。『ありのままで』の歌詞も、それにドンピシャだったかもしれまへん。どこまで計算されたものであるのかはわかりませんが。
ほんでもって吹き替え版で歌った神田沙也加さん、May J.さんはテレビに頻繁に出演して歌っておられますが、肝心の松たかこさんは沈黙を守っております。む~ちょっと気になるぅ。でもこれもきっと、『ありのままで』といふことなんでせうね(爆)。
■ 小原眞紀子 『Ongaku & Bungaku by Kingyo』『No.021 アナと雪の女王』 ■