山際恭子さんのTVドラマ批評『No.045 ファースト・クラス』をアップしましたぁ。沢尻エリカさん主演のファッション業界ドラマです。不肖・石川もチラチラ見ております。沢尻さんが出演しておられると、なーんとなく見てしまふ(爆)。やっぱ沢尻さんはスターさんで、視聴率が取れる女優さんなんでせうねぇ。
ほんで内容は、ファッション誌編集部内での女編集者同士のさや当て、といふか足の引っ張り合いでごぢゃる。毎回マウンティングと呼ばれる編集部内での序列が表示されます。これについて山際さんは、『そこには本当のところ、損得勘定は働かない。計算高いようでありながら、理性は機能していないのだ』と書いておられます。ただま、マウンティングとかカーストとか、人間関係に序列を付けるのが、ちょっとしたブームになっているやうです。
山際さんはまた、『人間関係を過剰に気にするようになったという若い人たちだが、シビアになった表面とは裏腹に、それはむしろ幼児化の結果のように思われる。小競り合いや鞘当ては太古からあるものであって・・・人というものはこういうものだ、と学び、ネガティブな側面として認識されたものである。・・・単なる嫉妬が大手を振れるカルチャーに化けることはない』と書いておられます。そのとおりでせうねぇ。
何度かこの編集後記で書いていますが、高度情報化によって、今まで外部に漏れなかった情報が大量に流通するやうになっています。でもそれによってある業界が相対化されることはあまり起こっていない。むしろ情報が開示されるにつれ、特定業界の利権や制度にひたすら固執する傾向すら見られます。こりはあんまり健全なことではありませんなぁ。
いや、一生懸命なのはいいことなのです。ある業界の中でその業界を盛り上げ、一心不乱に働こうといふ人がいないと社会はうまく回らない。でも自己が属する業界の強さ、弱さを知りながらそうしているのか、業界を相対化する情報があっても見て見ぬふりをしてそうしているのかでは、仕事の質が違ってきます。冷静に自分の業界(仕事環境)を分析した上で仕事をしないと、新しいアイディアによって業界を活性化することはできないと思うのですぅ。
■ 山際恭子 TVドラマ批評 『No.045 ファースト・クラス』 ■