金井純さんのBOOKレビュー『絵のある本のはなし』『No.015 小さなパイのおいしい食べ方』をアップしましたぁ。プロダクトデザインのアートディレクターからエッセイストに転身された岡村伸彦さんのお料理レシピ本です。と言っても見所は岡村さんが描くイラストです。写真ではなくイラストでなければならない理由がよく理解できる本です。
金井さんは『そもそもイラストならば簡単に描けそう、と思う時点でアウトだ。簡単そうであればあるほど、生来のセンスや品位が問われる』、『センスとはまさに折り合うタイミング、バランスをはかる力そのものだ。言葉のないメッセージである線が、言葉と折り合うタイミング、息づかいの見せどころが、このような書物だ。線と言葉との呼応は無駄なく、シンプルに本質に迫る』と書いておられます。確かにそうですね。バランスのいい本だと思います。
こういふ本を手に取ると、イラストなんて描けないよーと思われる方も多いと思います。ぢゃ、写真なら上手く撮れるのかといふとそうでもない(爆)。本気で写真を撮ろうとしている人とそうでない人の作品はすぐにわかります。ブログなどでお料理の写真がアップされているとうんざりすることがありますが、それは何を伝えようとしているのかわからないからです。
〝料理を撮る〟と決めたらそれなりの写真撮影テクニックがいります。写真は添え物で〝この料理を食べた〟と伝えたいなら文章を工夫する必要がある。しかしたいていは漫然とコンテンツがアップされています。よく言われることですが、多くのファンを抱える芸能人のブログでもない限り、プライベートであれ仕事の接待であれ、何を食べたかに強い興味を持つ読者は稀です。
もし何かを発信したいなら、それなりの工夫と努力は必要です。イラストは敷居が高いようですが、今はペイントソフトで簡単に描けるようになりました。ブログで個性を発揮したいなら、たまには写真のかわりにイラストを掲載した方がいいかも。イラストの描き方や好みは様々ですから、意外な才能を発見できるかもです。
■ 金井純 BOOKレビュー『絵のある本のはなし』『No.015 小さなパイのおいしい食べ方』 ■