大野露井さんの連作詩篇『空白』『第 010 回 Ⅸ 水』をアップしましたぁ。GWもけふで最終日ですが、皆様いかがお過ごしでせうか。不肖・石川は飲みながらお仕事しておりましたぁ。最大の山場は金魚さんを交えた金魚屋首脳陣とのスカイプ会議でありました。金魚さんは基本方針を立てる以外は口をお出しにならないですが、岡目八目と申しますか、上から金魚鉢をのぞくと言いますか、高みからズケッと痛いところを突いてこられる。石川は「うげっ」とか「ぐぅ~」とか呻きながら、ちっこい脳みそを働かせていたのであります。ま、皆さん会社なんかで経験しておられる通りの会議でありました(涙)。
ほんで大野さんの『空白』第10回目は『Ⅸ 水』です。今回もいい作品ですよ。『街区にせきとめられる/レジスタンスさながら/歯止めのきかない怒りのやり場を/魂のなかに求める/得がたい安らぎを夢みたまま/ずっと悲しく抱え込んでいる』という連はvery大野さんだなぁ。抑え込んだ抒情表現がうまい詩人さんです。閉塞感があるのですが、全体に甘美でもある。甘美さが大野さん本来の資質で、閉塞感が彼の社会性のやうな気がします。このやうな社会と自我意識との関係性もあるのであります。
また『空白』は第10回目が『Ⅸ』になっていることからわかるやうに、番号が一つずれています。これも意識的でせうね。オーダーをずらしたい、あるいは作品全体をループさせたひといふ意図があるのかもしれません。いずれにせよ当初から一冊の書物として構想された詩篇です。長篇連作詩はなかなか難しいものです。力のある詩人さんだと思ひます。
■ 大野露井 連作詩篇 『空白』『第 010 回 Ⅸ 水』』 PDF版 ■
■ 大野露井 連作詩篇 『空白』『第 010 回 Ⅸ 水』 テキスト版 ■