池田浩さんの文芸誌時評『No.004 Feel Love Vol.20』をアップしましたぁ。『Feel Love』は祥伝社さんの女性向け文芸誌です。池田さんは野中柊さんと原田マハさんの対談を取り上げておられます。対談のお題は『猫と暮らす、犬と暮らす』です。まったりとした会話が交わされているやうですね。
池田さんは『男たちなら、犬猫、あるいはプラモデルでもゴルフでも、盛り上がりながらも文学論に収斂させてゆく。・・・対談「猫と暮らす、犬と暮らす」の最後にとって付けられたような、感性をビビッドに保ちましょうね的な会話は、そういう男たちの・・・制度・・・を “ 知性 ” と信じて疑わないことのマヌケさを当てこすっているようにも読めるのだ』と批評しておられます。
確かにこれは面白いな、という対談・鼎談は少なくなりました。だいたい文学業界共通の話題(パラダイム)があんまりない。プライベートでも仲の良い人が狭い範囲の話をするか、漠然とした大テーマを設定して、出席者が通り一遍の話をすることが多くなっているやうに思います。不肖・石川など、毎号、文学業界は結構厳しい状況だよねといった話でもいいと思うんですが、文芸誌に登場する作家さんがこの話をするのはタブーのやうです(爆)。
どこの世界でも同じですが、対談も含めて一定の制度は文学界に必要だと思います。なんの手がかりも持たないで模索はできないわけで、型にはめながら新しい可能性を探っていかなければならない。でもどこかで〝当たり〟を見つけなければなりません。あ、こりはまぁ、『Feel Love』といふ雑誌には無縁の話かもしれませんけど(爆)。
■ 池田浩 文芸誌時評『No.004 Feel Love Vol.20』 ■