外賀伊織さんの連載恋愛小説『ぐるぐる』(第08回)をアップしましたぁ。栞ちゃんの怒り大爆発の巻であります。社会が変わっていく時、根底で何が変わるのかを考えさせられますね。男女の恋愛形態は意外に変わらないものす。基本、他人同士ですから、お互いに対する幻想があり、失望があり、現状の肯定があるといふ形で進んでいきます。他の人間関係と同じような探り合いがあるわけです。
しかし恋愛より家族関係の方が、実はドラスティックに変わっている面があると思います。ただその変化は非常にわかりにくい。恋愛より多様な形で変わっているのですが、その構成員にとっては当たり前の日常です。犯罪事件などが起こればその異様さが浮き彫りになるわけですが、たいていの場合は調和がとれている。家族関係は密室的環境であるわけです。
外賀さんの『ぐるぐる』は、この家族関係の変化を描いている面がありそうです。社会の変化に呼応して変わりつつある関係ですが、変わらない要素も多い。家族関係は、社会のマグマとでも言えるような、蠕動し続ける柔らかい部分です。こういふ社会的ニュアンスを表現できるのは、小説文学だけでしょうねぇ。
■ 外賀伊織 連載恋愛小説 『ぐるぐる』(第08回) pdf版 ■
■ 外賀伊織 連載恋愛小説 『ぐるぐる』(第08回) テキスト版 ■