外賀伊織さんの 『 Ongaku & Bungaku by Kingyo 』 『 No.009 ビートルズのダブル・ファンタジー 』 をアップしましたぁ。ちょい久しぶりの歌詞批評 (音楽批評) コンテンツです。今回は文学金魚で恋愛小説 『ぐるぐる』 を連載中の外賀さんに書いていただきました。物書きのタイプもいろいろで、詩や小説は書けるけど、批評やエッセイはどうも苦手だといふ方がいらっしゃいます。その逆パターンもあるんですけんど。外賀さんは今のところ文学金魚で小説しか発表していませんが、詩や批評も OK のタイプの作家さんです。小説を書くのは絶対的に時間がかかるので、あまりご無理は言えませんが、ときどきは批評やエセーを書いていただこうと思います。
外賀さんが 『僕がビートルズを聴かなくなってから十数年の間に、ビートルズはほとんどビートルズ学と呼べるほど詳細に研究されていた』 と書いておられるように、ビートルズ関係の本や DVD は膨大な数が発売されています。ジョン・レノンさんが亡くなってから、ポール・マッカートニーさんによってビートルズを総括する映像作品も作られました。不肖・石川も見ましたが、『ポールさん、野暮なことをなさる』 とちょいと思いました (笑)。ビートルズ時代はすんげぇ大変だったというメンバーの回想が多いんですね。でもリスナーがロックンローラーに期待するのは、『ヒット曲なんて鼻歌まじじりで作れるぜ』 という颯爽としたカッコ良さでもあります。大変なのは重々わかっておりましたが、もそっと隠しておいていただきたかったなぁ (爆)。
そんで外賀さんはレノン-マッカートニー、ジョン&ヨーコ、ポール&リンダと続いていった、いわゆる 〝ダブル・ファンタジー〟 について書いておられます。人間は社会的動物ですから、優れた他者との出会いが、元の素質を大きく発展させることがあります。しかし単に仲良くしていたのではそういう化学反応は起きません。ビートルズはとても厳しい 〝相互ダメ出し集団〟 でもあったようです。石川など古い人間ですから、ネット時代になって小規模な仲良し集団がわんさかできあがり、お互いを誉め合うことに終始しているように見えることがあります。でもダメ出しの出ない自己表現はムダですよ。捨て台詞的罵倒は無視していいですが、真摯な批評には耳を傾けなければなりません。自己表現は不特定多数の他者の厳しい目にさらされて、初めて意味を持つのです。
■ 外賀伊織 『 Ongaku & Bungaku by Kingyo 』 『 No.009 ビートルズのダブル・ファンタジー 』 ■